内容説明
落ちつきがない、たえず動きまわる、何度いっても態度が改まらない、突然思いもよらない行動を示す、このような子どもたちがいます。このような子どもたちをADHD(注意欠陥多動性障害)という概念でとらえることによって、理解し、援助するための足がかりができてきましたが、一方で、ADHDへの社会の関心が高まるとともに、ときに、猫も杓子もADHD、子どもの問題をすべてADHDに結びつけてしまいかねない、というおそれもでてきました。こうした状況は、ひとえに、この種の問題が正しく理解されていないことが原因です。本書の第1部では、このような子どもたちが現在どんな状況におかれているのか、実例をあげて説明し、どのようなかかわり方をすれば子どもたちや関係者をささえてあげられるのか、これも具体的に述べました。第2部では、この問題に取り組むために必要な最低限の情報を、医学的観点から整理しています。
目次
第1部 ADHD児にかかわる方へ(ADHDとは?;注意欠陥多動性障害という名の疾患;「障害」という文字が持つマイナスイメージ;「キミはADHDかもね」と安易にいわない ほか)
第2部 医学の観点から(用語の混乱;症状;原因と頻度;検査所見 ほか)