1 ~ 1件/全1件
- 評価
適当に購入した物本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Bugsy Malone
72
ラヴクラフト以前のビアース「カルコサの住民」とチェンバース「黄の印」の2篇にスミス、ダーレス、ブロックの6編、トリはプライス、ラヴクラフトのランドルフ・カーター物「銀の鍵の門を越えて」の全9編。何編かは少々似た様な思わせぶりが続いてはしまうのだけれどそれぞれは面白く、読むのは2度目になる「銀の鍵の門を越えて」はやはり圧巻。大瀧啓裕さんの解説も勉強になりました。 2021/08/07
アナーキー靴下
68
この巻は思い出深く、クトゥルー小説として一番初めに読んだのが収録作「暗黒のファラオの神殿」(ロバート・ブロック著)だった。当時はトリックスター的存在というものに目がなく、ナイアーラトテップものをチョイスして読み始めたのだった。今読んでもこれはかなり好みの作品。本書全体としては複数の作家によるホラー小説らしいアンソロジーなのだが、ラヴクラフトの「銀の鍵の門を越えて」は別格。ホラーではなく、瞑想系の幻想文学なのである。あらすじ的には突っ込み所満載な気もするけれど、そういう次元を凌駕している。2023/04/10
シン
24
C評価。 ラブクラフト以前の物語も入っているらしいか、 基本的に展開に大きな差は見られない。 さすがにちょっと飽きてきた。 「カルコサの住人」はなんやねんいきなりとは思ったのと、 「邪神の足音」や「暗黒のファラオの神殿」とかは妙に好きだが。 「丘の夜鷹」なんかは「ダニッチの怪」を読んでると面白さが上がると思うんだが、これまでに収録されてないし。 「銀の鍵の門を越えて」は設定厨の自慰行為を見せられているようで、読んでるこっちの方が照れてくる。2017/09/18
ヴェルナーの日記
20
やはりクトゥルー神話作品群において、ラグクラフトは抜けている。『銀の鍵の門を越えて』に登場するランドル・カーターは、彼の他の作品でも活躍する重要な人物。本作の異常な角度とは、人間では認識できない3次元に時間軸を加えた4次元的な角度と思われる。このようにラグクラフトの作品の特徴として、人知の及ばない思考・世界等といった事象が取り上げていることが、クトゥルー神話の本当の魅力ではないだろうか?その意味でいえば、チェンバースの『黄の印』、スミスの『彼方からのもの』、ブロックの『暗黒のファラオの神殿』も一興である。2014/10/26
sputnik|jiu
12
久しぶりにガチクトゥルー読んだ。この陰鬱な世界観、修辞過剰の情景描写・・・たまらん。ダーレスやC・A・スミスなどのオーソドックスなのもいいが、この巻にして言えばやっぱり本家HPLの「銀の鍵の門を越えて」が頭一つ抜きん出ている。現在時制の物語から、時間や空間を超越し、HPLの創造神話のほぼ全てを網羅する壮大な幻視を経て、再び現在につながる構成は見事としか言い様がないし、物語の最後で立ち現れる恐怖、そして読後感の後味の悪さがまた最高である。唯一無二の幻想怪奇小説。大瀧さんの丁寧な誰得解説もまた好い。2013/04/14