内容説明
女性の心理は見えざる社会の規律が形成していくものである。その規律が男性心理に貫かれた家父長的な規律であるとき、はたして健全な女性心理は形成されていくのだろうか。女性の意識向上運動、女性解放運動を身をもって体験してきた著者たちは、もの言わぬ女性たちの心の病に光をあてつつ、社会が生み出す女性心理の形成を跡づけ、母娘一体の女性の歴史を跡づけながら、母娘関係の新しい心理理論を提供していく。
目次
第1章 フェミニスト心理療法の位置づけ
第2章 女らしさの組立て(母=娘関係のなかで形成される心理;母親からの分離独立;文化と性)
第3章 フェニミスト心理療法・1―治療関係の初期段階
第4章 フェニミスト心理療法・2―治療関係の中期段階および分離過程
第5章 女性問題中のワークショップと心理力動療法グループ
第6章 心理療法家がかかえる諸問題―フェニミスト・セラピストに求められるもの
第7章 女性の心理発達―さまざまなテーマとその心理的帰結
第8章 恐怖症と身体症状(恐怖症;強迫観念的不安;摂食障害)
第9章 カップル間の力動とカップル・カウンセリング(夫婦関係;要求と拒絶;ヘテロ・カップルとレズビアン・カップル)
第10章 未来に向けて―女性の心の構造と社会状況
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- 山と溪谷 2020年 9月号 山と溪谷社