内容説明
子どもが「非行」に走ったとき、親は周囲から批判されたり、非難を浴びたりする立場にあります。そのため、子どもの「非行」のことを率直に語るということ自体が非常に難しいことです。初めて会に参加したときには、涙が止まらず、うまく話すことができない参加者もいます。しかし、会に参加して、同じような体験をしている他の参加者の体験を聴き、自分自身の体験を語っていく中で、何かが少しずつ変わっていき、新しい語りが生まれていきます。『語りが生まれ、拡がるところ』というタイトルが示すように、この本では、「非行」と向き合う親たちのセルフヘルプ・グループにおいて、どのように新しい語りが生まれ、拡がっていくのかを考えていきたいと思います。
目次
第1章 問題と目的
第2章 語りへの着目
第3章 エスノグラフィーによる調査
第4章 語りや体験が変化するプロセス
第5章 語りがどのように構築されているのか
第6章 親以外の立場の参加者の語りの構築への関わり
第7章 「非行」と向き合う親たちのセルフヘルプ・グループの特徴と機能