内容説明
特攻隊員として終戦を迎えた著者が、戦争を憎み、信じられるものの何もないほどに深く心を傷つけられ、担ぎ屋やブローカー、はてはニコヨンの群れに身を投じる日々、ふと目にした新聞に「少年院教官募集」の広告を見つけ、“これぞ我が天職”と思いたったのが、本書に綴られた16年間の足跡のきっかけである。16年間の現場での体験は、著者のその後20年余りの人生の転機となり、弁護士として活躍している今、いじめや自殺などの少年の問題を痛む心へと連なっている。
目次
1 関東医療少年院創立のころ
2 母と義兄と子供の死
3 自作の劇の指導
4 K君と文集“芝草”
5 暴力教官のレッテル
6 死んだ父の笑顔
7 多摩少年院と私の役割分担
8 助けて下さい観音さま
9 機付の石井兵長
10 司法試験に合格