内容説明
大敗戦後、この国はどうなったか。最古の正史『日本書紀』は、対唐戦を「白村江の戦い」という一局地の戦闘として叙述することで、戦争そのものの真相を隠蔽し、その後に訪れた唐化政治の実体を闇に葬る一方、文脈中に旧倭国の存在を潜ませて、真実を模索する手掛かりを後世に残した―。歴史作家・吉留路樹の幻の遺稿、30年を経て刊行。
目次
第一章 白村江前夜
第二章 海水赤し倭軍潰滅
第三章 近江朝覆滅へ
第四章 「壬申の乱」の真相
第五章 天武政権の実態
第六章 藤原不比等の登場
第七章 律令にも唐の影
第八章 藤橘の奪権闘争
第九章 権力に必要な親唐
第十章 自主独立への道
著者等紹介
吉留路樹[ヨシトメロジュ]
1925年7月21日、朝鮮全州で生まれ、旧満洲・中国で育つ。中国青島大学中文系結業、新聞記者を経て文筆生活に入る。政治、鉄道業界、労働運動、自動車、朝鮮人問題、日本史など幅広い分野で著述を行った。1997年6月24日、死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。