内容説明
自らの存立を問い続ける文学。歴史の隠蔽や歪曲に抗して、戦後文学の中で独特の光彩を放っていた文学者たち。
目次
序章 在日朝鮮人文学の現在―“在日する”ことの意味
第一章 「日本」を撃つ尹健次の思想―「在日」・「民族」・「政治」・「天皇制」
第二章 アイデンティティー・クライシス―「在日」文学の今日的在り様
第三章 “在日”文学の現在とその行方―「民族」と「言葉=日本語」の問題を乗り越えて…
第四章 金達寿論―根を植える人
第五章 「北」と「南」の狭間で―金鶴泳の口を凍えさせたもの
第六章 「延命」と「自爆」の彼方へ―『火山島』(金石範)を読み直す
補論1 井上光晴文学と「朝鮮(人)」―“差別”に抗する「原体験の海」
補論2 「共苦」する魂―小林勝と「朝鮮」
終章 今、何故、在日朝鮮人文学か
著者等紹介
黒古一夫[クロコカズオ]
1945年12月、群馬県に生まれる。群馬大学教育学部卒業。法政大学大学院で、小田切秀雄に師事。1979年、修士論文を書き直した『北村透谷論』(冬樹社)を刊行、批評家の仕事を始める。文芸評論家、筑波大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。