内容説明
どうして、いつまで、どうやって、僕らは物語を作るのだろう。いくつもの時代のカルチャーを経巡りながら、ささやかに失われてばかりの生と語りの歴史をかたる、言葉に恋する新時代の物語撰集。さみしがりな恋人たちの履歴と送信。「いぬのせなか座」「作家の手帖」など多方面で活躍する著者による小説・詩歌・批評20作。巻末には自作解説も収録、待望の初作品集。
目次
1(漢字が苦手なその子の宿泊と郵便;じゃないけど、似たもの―60年代少女小説;情報社会の大悪党―あるいは弊社の石井GM;こよみのうた)
2(プリティ・リトル・ベイビーズ;彼と僕の大事な恋人たち;ふたりと、それを分け合うこと;描写の向こうで眠りたい)
3(荒木さんの退職;空間とその美女のアドバタイズ;ストイコビッツチのキックフェイント;清潔でとでも明るい場所へ)
4(識字率と婚姻のボトルネック;オキナワ医療観光公社;つづかない組織はどうすれば歌えるのか;家柄)
5(うつさないように;世間体とレソロジカ;よものよのもの;ファースト・マカロニペンギン)
著者等紹介
笠井康平[カサイコウヘイ]
1988年生まれ。「もの書き」が生活に役立つ知識を持ち寄るメディア「作家の手帖」の共同編集長として、日本初訳のヴァージニア・ウルフ『灯台へ』(葛川篤訳)復刊にも携わる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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