内容説明
「締め切り」から現代社会に深く埋め込まれたルールを描き出し、豊かな生き方を探る哲学的冒険!
目次
序章 なぜ人は締め切りを守れないのか
第1章 いい時間とわるい時間―私たちはどんな「今」を生きたいのか?
第2章 プロジェクト―私たちから時間を奪うもの
第3章 生きている時間―私たちはいつも何かに間に合わない
第4章 いろいろな遊びの時間を旅する―時間の遊び論
第5章 いい時間をつくる―時間正義のためのデザイン
第6章 デッドライン―死から締め切りの本性を考える
著者等紹介
難波優輝[ナンバユウキ]
1994年、兵庫県生まれ。会社員、立命館大学衣笠総合研究機構ゲーム研究センター客員研究員、慶應義塾大学SFセンター訪問研究員。神戸大学大学院人文学研究科博士課程前期課程修了。専門は分析美学とポピュラーカルチャーの哲学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Taizo
11
分析美学を専門とする新進気鋭の哲学者、難波優輝氏の書籍。何やらビジネスHowto本のようなタイトルだが、内容は鋭い洞察が並ぶ時間と締め切りを論じた一冊。そもそも人の生きる時間と締め切りの時間がずれているからだと、締め切り自体の批判から入る。哲学的な議論を踏襲しているが、プロジェクトの考察やゲームのアナロジーなど非常に現代的な対象を議論の俎上にあげている。締め切りを批判しつつも、締め切りのない人生は死のない人生のようだとも説く。じゃあ何が良い時間か、何がいい締め切りなのか、本書を読めばそのヒントがわかる。2025/12/31
フリウリ
11
何らかの「プロジェクト」を実行するにあたって、個人が「よい時間」を奪われないために「時間アセスメント」「時間ケイパビリティ指標」を提唱。ただし「時間正義」を貫くにはプロジェクト自体のパフォーマンスが「下がる」ことが前提なので、その判断を資本主義を生き抜くリーダーに可能なのか、とは思う。哲学は理論ばっかで具体策を示さないことへの異論はともかく、時間の個人性は語り得ぬもの、感じられるが理解しづらいものであり、全体として二項対立(よい/悪い時間)的にわかりやすくまとめて進む議論には、違和感があります。72025/12/21
あい
6
この本を読んで、何度も、そうなんだよ、ありがとう!と言いたくなった。現代社会を生きる人たちは、SNSからの通知、仕事での理不尽なプロジェクトへの参加、上司の時間軸で支配される自分の勤務時間…。自分の人生なのに他人からの締切(反応•要望など)を押し付けられ過ぎて、自分の時間を過ごせていない割合が大きいなと思った。これからは時間節約ではない時間のデザインを自分なりに考えて実行していきたい。2026/01/18
遠宮にけ❤️nilce
5
市場から必要を見出しプロジェクトを組むの繰り返しが資本主義の時代。生身の人間に起こるコントロール不能なものをやりくりするのが社会人とされるが、本当に大切なのは果たして?と私も思う。 過去の亡霊から個人や社会に刷り込まれたバイアスや制度によって不均衡となった現実で、プロジェクトに吸い取られやすい人と、ケアに対応させられやすい人があること。そしてそれを自覚してないことが自身の人生を引き剥がしている。 4つの遊びの時間、オモチャ、パズル、ゲーム、ギャンブルの時間から自分を測ってみたい。死という締め切りを前に。 2026/01/22
ちゃすくん
5
物語的な物事への解釈を経験する時間の過ごし方と、ゲーム的な時間の過ごし方とでは、それぞれどのように「いい時間」を感じることが可能だろうか、と考えながら読んだ。熟考を通した幸福を考えるか、刹那の幸福(フロー状態等も含む)を考えるかによってアプローチが変わるのだろうと思う。刹那的な快楽は、熟考すなわち自分自身の目的を考えること、とは相性が悪い。逆に、物語としての解釈は熟考を重ねることで(信心深い人間がそうであるように)人生に意義をもたらす。どちらも悪くは無い。悪くは無いが、社会の苦痛に晒されることが常で2025/11/23




