感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
塩崎ツトム
19
「これはゲームであり、1000点貯めれば勝ちで、戦車が貰える」。資本主義は世界を巨大なゲーム空間にしたが、現実は現実であり、ゲームではない。それでもぼくらは「こんなの茶番だ」と思いつつ、逆にそれを一種のマゾ的な慰めとしている。驚くことではないが、現実社会とトレーディングカードゲームは相似している。次々と新しいカードが発行され、公式ルールは絶え間なく変わり、カードのプレミア価格はそれに伴い乱高下していく。(つづく)2025/07/30
雪駄
5
これが資本主義のリアルか。オルタナティブはもはや幽霊のよう。歴史の終わりを生きる我々には選び得る選択肢が無い。というか想像が出来なくなっている。自分ができることは既存の枠組みの中で、なるべく快適なイスに座れるよう、働いて、節約して、蓄財することのみ。基本的人権が将来にわたって尊重されることを願いつつ…。地球に暮らせなくなるみたいな、ガンダムの世界観になると状況が変わるんだろうか。北の大地が記録的な暑さに見舞われている今日、そんなことを思った。2025/07/22
ろへい
5
資本主義がいかに心を索漠とさせる冷たい制度かという主張を、映画やTV番組、ポップカルチャーを引き合いに論じる。著者はイギリスの評論家とのことだが、ブログと音楽評論で有名で、本書もエッセイと言って良い。身近に起きた出来事や時事ネタから敷衍して、大きな社会の枠組みに思いを馳せるスタイルは、橋本治のエッセイ「ああでもなくこうでもなく」を彷彿とさせる。コールセンターの不条理さはカフカ的だ、など一人合点がきつ過ぎるのも橋本治に似ている。資本主義の嫌な面ばかり強調するが、「ファクトフルネス」のような本も参照すべきだ2025/07/18
八八
4
正直、かなり今更な読書となってしまった。『資本主義リアリズム』という概念について、すでに、本著をベースとして、多くの論者が現代社会について、資本主義に変わるオルタナティブな世界観が浸透せず、まさに、リアリズムとして資本主義的な現在、未来しか存在しないという現状について論じている。その嚆矢であるマーク・フィッシャー著の『資本主義リアリズム』を振り返りとして、今読み直すことは、論を知る上で大事だろう。2025/09/15
路輪一人
2
ほぼ予言の書、そして現代の問題が奇麗に切り取られて表面化する。何度も手を止て思考にふけってしまう、そんな本。つまり最高の問題集。2025/12/04
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