感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
塩崎ツトム
18
「これはゲームであり、1000点貯めれば勝ちで、戦車が貰える」。資本主義は世界を巨大なゲーム空間にしたが、現実は現実であり、ゲームではない。それでもぼくらは「こんなの茶番だ」と思いつつ、逆にそれを一種のマゾ的な慰めとしている。驚くことではないが、現実社会とトレーディングカードゲームは相似している。次々と新しいカードが発行され、公式ルールは絶え間なく変わり、カードのプレミア価格はそれに伴い乱高下していく。(つづく)2025/07/30
雪駄
4
これが資本主義のリアルか。オルタナティブはもはや幽霊のよう。歴史の終わりを生きる我々には選び得る選択肢が無い。というか想像が出来なくなっている。自分ができることは既存の枠組みの中で、なるべく快適なイスに座れるよう、働いて、節約して、蓄財することのみ。基本的人権が将来にわたって尊重されることを願いつつ…。地球に暮らせなくなるみたいな、ガンダムの世界観になると状況が変わるんだろうか。北の大地が記録的な暑さに見舞われている今日、そんなことを思った。2025/07/22
ろへい
4
資本主義がいかに心を索漠とさせる冷たい制度かという主張を、映画やTV番組、ポップカルチャーを引き合いに論じる。著者はイギリスの評論家とのことだが、ブログと音楽評論で有名で、本書もエッセイと言って良い。身近に起きた出来事や時事ネタから敷衍して、大きな社会の枠組みに思いを馳せるスタイルは、橋本治のエッセイ「ああでもなくこうでもなく」を彷彿とさせる。コールセンターの不条理さはカフカ的だ、など一人合点がきつ過ぎるのも橋本治に似ている。資本主義の嫌な面ばかり強調するが、「ファクトフルネス」のような本も参照すべきだ2025/07/18
コーキ
2
社会の開放を目指す政治はつねに「自然秩序」という体裁を破壊すべきで、必然で不可避と見せられていたことをただの偶然として明かしていくと同様に、不可能と思われたことを達成可能であると見せなければならない。(P50)2025/06/11
G.D
1
「これしかない」という資本主義の中では、カウンターも回収されてしまう。もっと勉強しないとわからん。2025/06/06
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