感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
keroppi
70
AIがよく言及する理論家としてマーク・フィッシャーがいるそうだ。タルコフスキーやクローネンバーグ、等々私も大好きな監督たちの映画作品もあげられているのだが、その作品たちと展開される理論がいまいちピンとこず、ChatGPTに聞いてみた。きちんと要約して説明してくれた。資本主義が現実そのもののように感じられ、別の社会の可能性を想像する力が失われている状態を語っているとのこと。なぜ、AIがこの理論家に言及するのかも聞いてみると、AIが特別に支持しているわけでなく、現代社会を語る上で参照されやすいとのことだった。2026/06/01
塩崎ツトム
24
「これはゲームであり、1000点貯めれば勝ちで、戦車が貰える」。資本主義は世界を巨大なゲーム空間にしたが、現実は現実であり、ゲームではない。それでもぼくらは「こんなの茶番だ」と思いつつ、逆にそれを一種のマゾ的な慰めとしている。驚くことではないが、現実社会とトレーディングカードゲームは相似している。次々と新しいカードが発行され、公式ルールは絶え間なく変わり、カードのプレミア価格はそれに伴い乱高下していく。(つづく)2025/07/30
エジー@中小企業診断士
17
資本主義の終わりより世界の終わりを想像する方が容易である。資本主義以外の社会は不可能だという感覚=資本主義リアリズムが、文化、教育、労働を覆う。反資本主義も商品に回収され、問題を理解しても何も変えられないという諦念が現状を再生産する。市場原理の導入は官僚制を解体せず、数値目標と監査を増殖させる。うつ病やストレスを個人の責任に還元する言説を批判し、精神的苦痛の社会性を問う。環境危機や精神疾患、官僚制の綻びから体制の必然性を揺さぶり、私的苦悩を公共の問題へと転換することで、別の未来を構想する可能性を切り開く。2026/10/19
ウォーカー
11
新自由主義下の資本主義の現実を告発する。原文のせいか訳文のせいか文章が非常に読みにくく理解しづらい。見たことのない映画・小説を踏まえた論述も多く分かりづらい。精神疾患(鬱病)の増加、自己(個人)責任化、官僚主義・管理社会の弊害、公共圏の破壊などが直接には指摘されるが、大きな視点では「この道しかない」という選択肢の無さの停滞感、資本主義とは別の世界(オルタナティブ)を構想できない未来の貧困を訴えるものと理解した。資本主義以外の(又はその先の)世界のイメージは確かに難しいが、著者の訴えかけは忘れないでいたい。2026/03/25
八八
7
正直、かなり今更な読書となってしまった。『資本主義リアリズム』という概念について、すでに、本著をベースとして、多くの論者が現代社会について、資本主義に変わるオルタナティブな世界観が浸透せず、まさに、リアリズムとして資本主義的な現在、未来しか存在しないという現状について論じている。その嚆矢であるマーク・フィッシャー著の『資本主義リアリズム』を振り返りとして、今読み直すことは、論を知る上で大事だろう。2025/09/15




