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内容説明
職員数1万人を超える巨大メディア、NHK。税金でも広告でもなく、受信料で支えられているのは、政府と大企業から独立した報道と番組制作のため、のはずだ。だが、その内実はどうなのか。NHKを離れたジャーナリストが実態に迫る。2025年に開局100年を迎える「公共放送」の現在から、あるべき姿を問う。
目次
第1章 「指南書」問題
第2章 NHK政治部とは何か
第3章 NHKという組織、記者という集団
第4章 NHK理事とは何か
第5章 経営委員会とは何か
第6章 セイバンという職種
第7章 NHKにとって「クローズアップ現代」とは
第8章 記者クラブがある巨大メディア
第9章 佐戸未和さんの過労死
著者等紹介
立岩陽一郎[タテイワヨウイチロウ]
ジャーナリスト。大阪芸術大学短期大学部教授。ネットメディアInFact編集長として、ファクトチェックや調査報道に取り組む。1991年一橋大学卒業。放送大学大学院修士課程修了。NHKでテヘラン特派員、社会部記者、国際放送局デスクに従事し、政府が随意契約を恣意的に使っている実態を暴き随意契約原則禁止のきっかけを作ったほか、大阪の印刷会社で化学物質を原因とした胆管癌被害が発生していることをスクープ。「パナマ文書」取材に関わった後にNHKを退職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たまきら
37
NHK,お前もか…ていうか典型か。海老沢勝二元会長が「エビジョンイル」と呼ばれていたというエピソードに笑ってしまった。日本特有の「和」の精神や、トップダウン型システムが生んでしまう権力者のワンマン経営。いうことを聞かない者が少数派となり退社を選択するという悪循環はこの国のジャーナリズムを劣化させ続けている。違う。ジャーナリズムは、もっと無私無欲で、公正なものだったはずだ。そして、私たちはそういうジャーナリストを尊敬していたはずだ。…愚か者扱いするのではなく。奮い立ってくれよ、メディア!頼りにしたいんだよ!2024/10/29
そら
19
政治のことよく分からないけど、NHKがヤバいことだけは分かりました。政治も民法もたいがい終わってるけどね~。以下備忘録。◎森喜朗総理大臣が失言をして記者会見をする際に、NHKの記者が前もって指南書(アドバイス)を渡していた問題。◎NHKと読売と共同通信は政治家にべったり張り付いている。移動も一緒。秘書の家に寝泊まり。党の要職の部屋のソファーで昼寝するふりをして、誰が誰と何を喋ってるか聞き耳立てる。議員会館に入りびたり。夜に議員が帰る前に自宅に上がらせてもらって待ち伏せて夜は晩酌。2025/05/31
Go Extreme
3
指南書問題:NHK政治記者・圧倒的情報量 政治部にも心ある記者はいる NHK政治部:黒井イメージ 総理番 与党取材の拠点・平河クラブ 時間と距離は反比例 電気椅子 NHKという組織・記者という集団:バンセイとホウバン HK理事:局長の上の存在 経営委員会:日々の業務 最高意思決定機関 2021年6月・国会審議 セイバンという職種:政治番組を作るPD集団 NHK2つの使命 クローズアップ現代:後継番組検討 部局横断プロジェクト 記者クラブがある巨大メディア 佐戸未和さんの過労死:調査報告書をまとめられず2024/09/12
Reading
1
NHKの経営委員や理事の制度の話やNHKの看板番組であるクローズアップ現代のことなども紹介されていてNHKの内情について詳しく記されていてはじめて知ることが多かったです。 後半は過労で亡くなられた記者について記されています。 NHKは過労死については公表したものの隠蔽体質が強く働いておりご遺族や世間に対して経緯についての説明が不十分であると指摘されています。 NHKの元記者が執筆されているので報道が中心ですがNHKの内情が詳しく記されていて大変興味深く読みました。 特に政治部の話は面白かったです。2025/06/21
Yosuke Hosomi
1
取材現場での社会部と政治部の棲み分け慣習など、NHK特有のローカルルールの世界を詳しく書いており、日本のメディアを考える上で貴重な体験談が詰まっていた、2024/08/06