内容説明
『母の最終講義』刊行後に集まった「読んでみたい」という声を受け、最相葉月の初エッセイ集、23年の時を経て復刊。デビュー30周年記念企画。
目次
1(わが心の町 大阪君のこと;側溝のカルピス ほか)
2(おシャカさまに近い人;遠距離の客 ほか)
3(テーブルマナー;歩きだす谷間 ほか)
4(壁の穴;ふくろふはふくろふ ほか)
著者等紹介
最相葉月[サイショウハズキ]
1963年、東京生まれの神戸育ち。関西学院大学法学部卒業。科学技術と人間の関係性、スポーツ、精神医療、信仰などをテーマに執筆活動を展開。著書に『絶対音感』(小学館ノンフィクション大賞)、『星新一 一○○一話をつくった人』(大佛次郎賞、講談社ノンフィクション賞ほか)など多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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nonpono
49
「絶対音感」以来の最相さん。新聞の人生相談は読んでいた。2001年のエッセイ集の復刊。終わりがピリッとしていてテンポが良く読みやすい。わたしの叔母が住む神戸の御影の生まれなんですね。競輪の取材をしていたなんて。「あなたはなぜここに来たのから、あなたはなぜここを去ったのか。私に一切それを問うことのなかった人たちを今、思う。」ふと、若い頃にわたしが熱狂した神宮球場の人たちが浮かんだ。また不登校だった弟さんの一年を「誰もこじあけることのできない固い鍵のかかった密室の一年」と表していたがわたしにもあるなと思った。2025/05/22
まこみや
41
最相葉月は私にとって長く『絶対音感』の人だった。ノンフィクションライターであって、エッセイは余技だと思っていた。先頃『母の最終講義』が出版され、高評価を受ける中で、最初のエッセイ『なんといふ空』に言及しているものがあった。まずこちらを取り寄せで読んでみた。私の中で最相の位置はノンフィクションの作家からエッセイストに一変した。しかも名メッセイストとして。そのエッセイは、流れ続ける生の営みの中でふと立ち止まってしまう瞬間を切り取って、そこに人生の機微や物の哀れを余韻として残す。まさにエッセイの真髄ではないか。2024/11/22
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