感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
fwhd8325
85
物騒なタイトルですが、内容は頷く点も多くとても面白い。短くあらゆる視点から描かれています。そこで紹介されている小説やコミックスは、縁がなく読んでいないものばかりでしたが、わかりやすくまとめられているので、未読でもないようには影響はありません。数年前から毒親という表現が使われはじめました、そこから始まった呪縛からの開放。この著書に至るまでに作家たちが様々な手法を試みている。そして、声を出して言えるようになったことは大きい。文学の力も感じます。2024/07/18
ばんだねいっぺい
24
作品をひとつひとつ取り上げながら、決して焦ることなく、階段を登るように、論を検証する姿勢に好感を持った。テーマは、「母殺し」なのだが、なぜ、ボーイズラブなのかなど、いろいろと知見を得た気がする。答えらしきものは、見えたとは思うが、難しいことは、難しい。2024/07/21
イシカミハサミ
22
「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」で 一躍時の人になった三宅香帆さんの1冊。 なぜ働いていると――とほぼ同じフォーマット。 過去の作品から解決策を紐解いていく。 結論が少し弱めなところもよく似ている(※1)。 こちらの方が三宅さんらしさ全開で好きな1冊。 フィクションの要点を一般化して言語化する能力が高すぎる。 漫画作品の実写化は三宅さんが噛んでくれたら いい作品になりそう。2024/10/07
読書は人生を明るく照らす灯り
19
男性には理解し難い部分があるが、今の時代では知っておかないといけない事実。逆も然り、男児は父を超え、女児は母親と共存する。どちらの生き方が、今からの日本に適応するのか??2024/10/27
しゅん
18
父子問題は文芸批評の題材になってるのに母子問題はなってない、でも母子を扱った話はたくさんありますよね、という観点から、母子問題を扱った作品を萩尾望都『イグアナの娘』あたりから歴史的に並べていく。最後に結論めいたことは出されるものの、重要なのは歴史として示す過程全般に思える。物語内における展開だけを取り出して論じているから、作品批評としては物足りない。PLANETSからでているのがどこまで影響しているか定かでないが、宇野常寛のスタイルにだいぶ近づいている。2024/06/07