内容説明
近代にいたるまで、女性の死因の第一位は、「妊娠・分娩にかかわる疾患」であった。古代の人たちにとって、お産とはどのような営みだったのか?そのことを読み解くと、古代史の多くが、よりはっきりと見えてくるのではないか。産婦人科医療の専門医が考古学・古代史の分野に一石を投ずる問題の書!!
目次
序章 直感で古代をみる
第1章 古代社会を生殖の観点でみると
第2章 縄文人は何を祈ったか
第3章 神社と安産信仰
第4章 古代の出産を現代医学からみると
第5章 生殖医学からみえる大和の起源
著者等紹介
江本精[エモトマコト]
福岡県生まれ。現在、国際医療福祉大学教授、福岡山王病院予防医学センター婦人科部長、モンゴル国立医科大学客員教授、医学博士。ケンブリッジ大学病理学、ハーバード大学医学部留学後、福岡大学病院教授・産婦人科診療部長。日本産科婦人科学会専門医、日本婦人科腫瘍学会専門医、日本超音波学会指導医を取得。前米国ウイメンズ・ヘルスケア誌編集長。2011年日本超音波医学会「松尾賞」他受賞。生殖医学から古代の謎を解明することをライフワークとし、数多くの講演も行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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caramelscratch
1
古代史のおもしろさは、あらかたわかってそうな雰囲気なのにその実ははっきりとなにもわかってないことに尽きる。だから色々な人が自説を述べれる余地があるのだが、この度の生殖医学からのアプローチも我田引水の感は否めないが視点そのものはあたらしく、また盲点を突かれたなという意見が多々ある。2024/01/04
ちもころ
0
産婦人科医が生殖医学の観点から日本の古代史を見渡し、考える所を述べた本。生殖に関わる事象は未だ解明されてないことも多く、ましてや古代人はそれを神聖化していた可能性はある。だから、縄文遺跡や古墳、神社などが妊婦や子宮を模していたとする筆者の主張は、土偶が里芋という説よりはよっぽど真実味があるような気がする。 今後ますますの議論の発展を期待したい。2024/06/19