内容説明
イエスによる「神の国運動」、その中心は「共に食し共に生きること」!「キリスト教の原点」であるイエスの生き方を現代に回復することこそ急務。キリスト者か否かを問わず「平和」を求めるすべての人々に贈る力作!著者は現代社会に満ちる暴力と戦争の悲惨な連鎖を見据え、「希望」を見失わずにイエスの「実像」と宣教の使信に迫る。イエスが示す「共食」は、理不尽な苦しみを強いられる人にとって「共生」の喜びの時を育む源、人を非人間化する「社会悪と宗教悪」に抗う時と場になった。この「共食と共生」の生き方とローマ帝国の極刑であった「晒し柱」のイエスの処刑死を「贖罪信仰」へと神学化し、「キリスト教」も諸悪の温床になっていることを歴史批判的に検証する。
目次
第一章 「人間の実態」を見る視点
第二章 「共食と共生」の課題
第三章 「共食と分かち合い」の物語の前史
第四章 ユダヤ教律法の価値基準―食物規定と「食」のタブー
第五章 洗礼者ヨハネとイエス―いなごと野蜜
第六章 「罪人」との食事
第七章 五千人との共食―「憐れみ」の心
第八章 イエスの「遺言」―ホスピタリティ
第九章 イエスの処刑前の食事―最後の晩餐
著者等紹介
山口雅弘[ヤマグチマサヒロ]
1948年、札幌生まれ。日本聖書神学校、エピスコパル神学校(神学修士)、ハーバード大学神学校などで学ぶ。日本キリスト教団札幌教会(副牧師)、岩見沢教会、粟山教会(兼務)、まぶね教会、大泉教会、稲城教会を牧会。日本聖書神学校で新約聖書学講師(2000~2014年)。現在、日本キリスト教団引退教師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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