内容説明
近代の「日本語」による文学の行き交いを、極東アジアの広がりに位置づける。従来の文学史を更新する決定的論考!20世紀初頭の都市「東京」を諸民族が行き交う極東アジアのハブとして着目し、ここからの「日本語」文学の形成と、国境を越えて展開される言語表現の歴史を明らかにする。
目次
1 〓外と漱石のあいだで(〓外と台湾と魯迅のあいだ;女の言いぶん;語りうる世界の深まり)
2 “外地”の日本語文学の広がり(多面体の鏡―南方・南洋・台湾;螺旋のなかの国境―満洲・内蒙古・樺太;旗のない文学―朝鮮)
3 新しい定住者が生みだす世界―金達寿から始まるもの(「在日朝鮮人」という意識の起源;根こぎにされた母子像;「内地」と屑鉄;ユーモアの発生源;被支配民族を結びつけたもの;『玄海灘』から始まる;日本とは、どういう土地か;「在日朝鮮人文学」を岩波文庫の緑帯に;背後に燃える火)
著者等紹介
黒川創[クロカワソウ]
作家。1961年京都市生まれ。同志社大学文学部卒業。1999年、初の小説『若冲の目』刊行。2008年『かもめの日』で読売文学賞、13年刊『国境“完全版”』で伊藤整文学賞(評論部門)、14年刊『京都』で毎日出版文化賞、18年刊『鶴見俊輔伝』で大佛次郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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