出版社内容情報
1972年にサハラ砂漠と出会って以降、野町和嘉(1946年生)は、世界各地の、多様で過酷ともいえる風土と、その土地で深い信仰を支えに生きる人々を撮り続けてきた。50年余の長きにわたる旅で野町が記録してきた光景は、政情悪化と、携帯電話の急速な普及に象徴される世界の平準化によって急速に失われ、今や貴重な「人と大地のドキュメント」となっている。本書は代表作を中心に、自らを荒地願望症と称する写真家の足跡を辿る。
【目次】
内容説明
砂漠、高地、辺境、秘境―過酷な風土を生きる人々。20代半ばでサハラ砂漠と出合い、圧倒的な大地のスケールと荒々しい自然に向き合う人々に魅せられ、以後半世紀に及ぶ旅を続ける野町和嘉の集大成。写真と旅のエッセイでフォトジャーナリストの足跡を辿る。
目次
1 サハラ 空と砂の間で
2 ナイル アフリカが流れる
3 エチオピア 旧約聖書の世界
4 グレート・リフト・ヴァレー アフリカ大地溝帯
5 メッカとメディナ イスラーム大巡礼
6 チベット 天の大地
7 アンデス 黄金郷の今
インタビュー 野町和嘉の軌跡
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
keroppi
62
今、世田谷美術館で開催中の「野町和嘉 人間の大地」展の図録。野町和嘉自身のエッセイやインタビューも多数掲載されている。展示を見るまで恥ずかしながら野町和嘉を知らなかった。1972年にサハラを訪れて以来、ナイル、メッカ、チベット、アンデス、等々、今では訪れることも出来ないような大地に踏み入れ、そこに生きる人間たちを写しとっている。人間たちの視線や、その生き様が強烈である。生きるために戦い、祈る。今や写真はスマホとなり、世界を駆け巡り、希薄になっている。そのアンチとしての迫力ある写真と野町和嘉の生き様が熱い。2025/07/07