内容説明
短編小説の名手といわれるO・ヘンリーの「最後の一葉」と並び称される傑作。東方の三人の賢者が飼い葉桶の中で眠るキリストに贈り物を運んできたことに由来するというクリスマス・プレゼントの習慣。しかし、ニューヨークの片隅でひっそりと暮らす若い夫婦の手元にあるのは、わずか1ドル87セント。妻のデラは愛する夫へのクリスマス・プレゼントに何を送ったらいいのか、考えあぐねていた。そこで彼女が意を決してとった行動とは…。グリーナウェイ賞に2度輝いている絵本作家P.J.リンチが「初めてニューヨークを訪れ、O・ヘンリーの時代からほとんど変わっていない街並みを見て以来、ずっと描きたいと思っていた」という作品。全編に描きこまれた水彩画で、名作の魅力をじっくりと味わってみてください。
著者等紹介
O・ヘンリー[Oヘンリー]
1862~1910。アメリカ・ノースカロライナ州生まれ。見習い薬剤師、製図工補佐を経て銀行の出納係を退職後に公金横領の疑惑が表面化し、裁判で5年の実刑判決を受ける。獄中で小説を書きはじめ、模範囚として3年余りで出獄後は、ニューヨークで本格的な作家生活に入る。本書「賢者の贈り物」と並び称される「最後の一葉」の他に「警察と讃美歌」、「二十年後」など、亡くなるまでの10年間で約280の短編を残した。市民の哀歓を描き出すのに優れ、アメリカ文学史上で屈指の短編の名手といわれる
リンチ,P.J.[リンチ,P.J.] [Lynch,P.J.]
1962年、北アイルランドの首都ベルファストで生まれた。後にイギリスに渡り、ブライトン芸術学校(現在のブライトン大学)に入学。卒業後は主に児童書のイラスト画を手がける。1995年に『クリスマスのきせき』(スーザン・ウォジェコウスキー作、宮帯出版社)、97年に『ジェシーが海を渡った時』(When Jessie Came Across the Sea)で2度にわたってケイト・グリーナウェイ賞を受賞
齊藤昇[サイトウノボル]
立正大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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