内容説明
キム・ウォニョン、キム・ソヨン、イギル・ボラ、チェ・テギュという、背景も活動分野も異なる4人によるエッセイ集。コーヒー、靴下、テレビ、本といった身近な存在の言葉をはじめ、ゆらゆら、ひそひそ、ひんやりなどの状態や様子を示す言葉について、それぞれが文章を綴る。4人の文章に触れることで、新たな気づきや視野の広がりが感じられる1冊。
目次
1部 繰り返されるリズム(コーヒー;靴下;ご飯;朝)
2部 ささやく物たち(テレビ;手のひら;本;床)
3部 動く心(おもちゃ;病院;ゆらゆら;ひそひそ)
4部 静かに流れる時間(怠惰;待つこと;ひんやり;アンニョン)
著者等紹介
キムウォニョン[キムウォニョン]
ものを書き、舞台公演をし、弁護士として働く
キムソヨン[キムソヨン]
児童書の編集者として働いたのち、現在は読書教室で子どもたちと本を読んでいる
イギルボラ[イギルボラ]
ものを書き、映画を作り、「CODA KOREA」の代表を務める
チェテギュ[チェテギュ]
動物福祉学を研究する獣医で、「熊の家プロジェクト(Project Moon Bear)」の活動家として働く
牧野美加[マキノミカ]
1968年、大阪生まれ。釜慶大学言語教育院で韓国語を学んだ後、新聞記事や広報誌の翻訳に携わる。第1回「日本語で読みたい韓国の本 翻訳コンクール」最優秀賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kana
22
その人にしか語れない「日常の言葉たち」があると気付かされた秀逸なコンセプトの韓国のエッセイ。宝物の一冊です。車椅子の法律家兼ダンサー、子ども向け読書会主催者、ろう者の両親を持つ聴者、動物と共に生きてきた動物倫理専門家、4者4様にたとえば「靴下」一つとってもその意味がこんなに違う!個々の文章がひたひたと心に迫る魅力があり、朝、ゆらゆら、コーヒーなど多様な意味を持つ言葉を経て最後の「アンニョン(安寧)」だけは韓国の方共通の祈りにも似た想いが込められてるのもよかったです。私も同じテーマで文章を書き始めました。2024/09/22
しい☆
4
16のさまざまな言葉をテ-マに、立場の違う4人がそれぞれ思うことをつづったエッセイ。「繰り返されるリズム」で飼育熊の事をはじめて知った。英国の番組「ネイキッドアトラクション」についての考察がとても心に響いた。単純に批判するのは簡単すぎて、世の中はそんなに簡単なものじゃない。「ひそひそ、心が打ち明ける言葉」にもしみじみした。それから獣医さんが猫の飼い主のことを終始「執事」と表現していたのが良かった。2024/11/26
バーニング
3
もともとはポッドキャストの企画だったとのことだが、その企画が盛り上がったことで書籍化し、翻訳された一冊。車椅子の弁護士であるキム・ウォニョンはすでに日本で紹介されていたが、まだよく知らなかった人たちの文章がアンソロジーのような形でこうやって読めることも楽しい一冊だった。2024/11/30
-
- 和書
- ひとりで学べる会計入門