内容説明
心の傷もわかりあえなさも、すべてを詩にしたとき、母を愛せるようになった―この世の片隅の声に耳を澄ませる詩人が、父、母、少女時代の傷、シンボルスカの詩との出会い、そして回復までを語る。奥歯を噛みしめて耐えること。奥歯を噛みしめて愛すること。何もできなかったあの頃。それは、詩がうまれゆく時間であった。震える心をそっと包み込む、かぎりなくあたたかな30篇のエッセイ。
目次
1 母を終えた母
2(口があるということ;慶州市千軍洞の敵産家屋 ほか)
3 儚い喜び
4(「途方もなさ」について;じたばたのつぎのステップ ほか)
5 二箱の手紙
著者等紹介
キムソヨン[キムソヨン]
詩人。エッセイ集に『詩人キム・ソヨン 一文字の辞典』(姜信子監訳、一文字辞典翻訳委員会訳、クオン、第八回日本翻訳大賞)ほか。露雀洪思容文学賞、現代文学賞、李陸史詩文学賞、現代詩作品賞などを受賞
姜信子[キョウノブコ]
作家。横浜生まれ。著書に『声 千年先に届くほどに』(鉄犬ヘテロトピア文学賞)ほか多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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