感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Go Extreme
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音楽をやるほど幸せなことはない 父の語り聞かせでピアノを始める フィンランドでの生活 あくまでも自然体で 名演奏家・空想家・先駆者 白夜の国→日出ずる国 館野らしい心象風景 孤独に耐え、自力で成長する 音を超えた音楽の世界 かくて円環が閉じようとしていた 泉の容態はいかに 再び、ひまわりの海へ あなたのピアニストとしての人生は終わった 大きな弧を描く 音楽は私に刻まれた年輪のようなもの 色彩の対位法のような演奏技術 喪失感と冷たい北風 示された安全な道を行くのではなく 左手を頼りに 貨物列車のピアニスト2024/08/20
くろうさぎ
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この天才ピアニストの熱心なファンではないけれどシベリウスやセヴラックのCD,テレビのドキュメンタリーで興味は持っていました.フィンランドの作家による評伝です.純粋で気さくな人柄が生い立ちから家族や様々な人びととのつながりの記述で大変よくわかりました.とくに脳出血で右半身不随になった後の再起の部分が感動的です.もう弾けなくなった曲について,「私がこれまでの人生で演奏してきた音楽はすべて,樹の年輪のようなものだ.それがどこへ消えてしまうというのか.どこにも消えることはない」素晴らしい言葉です.2024/08/01