内容説明
世界各地でいま、不平等が拡大している。不平等は経済成長を阻み、民主主義制度を弱体化させ、暴力や社会的不信を蔓延させる。それらは翻って、不平等を一層悪化させる。長くこの悪循環を経験してきたラテンアメリカから、世界は何を学ぶべきか。また、どうしたら方向転換ができるのか。豊富な事例研究が指し示す警告と提案の書。
目次
第1章 イントロダクション―不平等大陸ラテンアメリカからの教訓
第2章 ラテンアメリカ―世界で最も不平等であり続けた地域?
第3章 不平等の経済的コスト
第4章 不平等の政治的コスト
第5章 不平等の社会的コスト
第6章 ラテンアメリカから学べることもたくさんある、という話
第7章 そして今、何をすべきか?不平等との闘い方―ラテンアメリカで、そして世界で
著者等紹介
サンチェス=アンコチェア,ディエゴ[サンチェスアンコチェア,ディエゴ] [S´anchez‐Ancochea,Diego]
オクスフォード大学国際開発学研究所教授(開発の政治経済学担当)。専門は、中米を中心とするラテンアメリカ政治経済学
谷洋之[タニヒロユキ]
上智大学外国語学部イスパニア語学科教授。専門はメキシコを中心とするラテンアメリカ経済論
内山直子[ウチヤマナオコ]
東京外国語大学大学院総合国際学研究院准教授。専門は開発経済学、ラテンアメリカ経済(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Yuko
4
<不平等がもたらす経済的・政治的・社会的悪循環から、私たちは抜け出すことができるのか? 長くこの悪循環を経験してきたラテンアメリカの豊富な事例研究から要因を解明し、何をすべきかを提言する。 > 不平等がもたらす様々な弊害 ― 経済成長の重石、民主主義制度の弱体化、暴力の蔓延や社会的不信の増大。 これらがさらに不平等を悪化させる悪循環をどう断ち切るか。 難題に真正面から取り組んだ提言が、各国要人に届きますように・・ 2025/05/19
綿子
0
選挙に行く前に読んでほしい1冊。 格差の拡大による不平等から生じる負のスパイラル。ありうるかもしれない日本の未来がラテンアメリカにある。広がる格差に不安を抱える毎日だが、不平等を解消する希望もまたラテンアメリカに。 著者の言葉「私たち自身の幸福は他人の幸福に直接依存している。…わたしたちはまた倫理的な生き物である。それゆえに行きすぎた不平等は倫理的に間違っているとして拒絶しなければならないのである」 必要なのは、弱者から奪うのではなく、富裕層が社会から取りすぎている富を再分配し、格差を縮小すること。2025/07/16
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