内容説明
「バルカン政治家」「保守傍流」「クリーン三木」「議会の子」の異名をとり、現実と理想の狭間で政治権力を追い求めた保守政治家の生涯を丹念にたどる。
目次
第1部 戦前・戦時期(一九〇七~一九四五年)(代議士以前;少壮議員)
第2部 「バルカン政治家」の台頭(一九四五~一九五五年)(政党政治家としての出発―協同民主党から国民協同党へ;中道政権期―政界における台頭;第二保守党期―保守政治家への道)
第3部 派閥政治の展開(一九五六~一九七二年)(石橋湛山内閣期;岸信介内閣期―安保改定への対応;池田勇人内閣期―高度経済成長と党近代化の推進;佐藤榮作内閣期―長期政権の主流派から非主流派へ)
第4部 「三角大福中」の時代(一九七二~一九八八年)(田中角榮内閣期―副総理としての役割;三木武夫内閣期―椎名裁定と政権運営;「三木おろし」の政治過程;福田赳夫・大平正芳内閣期―派閥領袖としての終期;晩年;終章)
著者等紹介
竹内桂[タケウチケイ]
1973年石川県生まれ。明治大学大学院政治経済学研究科博士後期課程修了。博士(政治学)明治大学政治経済学部兼任講師・神田外語大学外国語学部非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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BLACK無糖好き
24
三木武夫は協同党系の出自から自民党でも保守傍流の地位に置かれる。社会福祉の重視など、協同党系に所属したことが背景となったとみられる政策の主張など、自民党の幅広い政策の根源の検討にも三木を考察する意味があると著者は見ている。また、従来からの「保守の左」、「弱小派閥の領袖」、「クリーン三木」といったイメージが強く反映されすぎている点についても修正を試みている。三木は理想主義者であるが、現実主義・権力主義者でもあった。◆戦後・昭和のノスタルジックな感覚にどっぷり浸れるところも本書の魅力。2023/11/02
のん
1
三木武夫の生い立ちから、死去までの全生涯について検討する政治史研究の大作。700ページ近くかけて、三木武夫の実像に迫る。三木といえば、「バルカン政治家」や「クリーン三木」などの評価が一般的であり、本書もそのような評価が妥当かどうかを最終章に検討している。 2023/10/11
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