内容説明
高くそびえ立つ堀の向こう側に―受刑者と刑務官の人生ドラマがある!
目次
1章 入所の作法(収監までのプロセス;新人研修;基礎知識)
2章 暮らしの作法(暮らしの基本;刑務所の衣食住;健康管理)
3章 受刑者の楽しみと癒やしの作法(余暇・娯楽;楽しみと癒やし)
4章 刑務官の作法
5章 出所の作法(仮出所;出所)
著者等紹介
河合幹雄[カワイミキオ]
法社会学者。京都大学大学院にて法社会学専攻後、フランスの名門法学研究科であるパリ第2大学へ留学。その後、京都大学法学部助手を経て、桐蔭横浜大学法学部教授・副学長。公益財団法人矯正協会評議員、全国篤志面接委員連盟評議員も務める。ほか、日本犯罪社会学会理事、日本法社会学会理事、日本被害者学会理事を務め、警察大学校教員、嘱託法務省刑事施設視察委員会委員長などを歴任した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kinkin
117
刑務所や拘置所のせいかつについてビジュアルに解説されている。自分ではそんなところに入る訳がないと思っていてもある日痴漢と間違われて冤罪になる可能性はなきにしもあらず、知っておいて損はない。刑務所というところは独房以外とにかく他人と一日中暮らすほとんどプライバシーのない生活。なかにはいじめやリンチなどもあるという。される方の特徴も書かれている。他の方も書いておられるがアダルト本は個人所有なら許されるそうな・・・それもなんだk気の毒で・・・読書メーターの方ならどんな本をチョイスします?図書館本2021/12/08
パトラッシュ
111
ドラマや体験記で描かれる刑務所の内情は知っていたが、イラスト付きで法的側面を含め詳細に解説してくれる本書には現実の理解を助けられる。その生活ぶりは外出禁止だが規律の緩い軍隊みたいで、処罰の意味があるのか理解に苦しむ部分もある。犯罪者の更生と社会復帰が役割としながら、特に性犯罪者や累犯者に対する罪への反省を促す教育や誘導などは一切していないようだ。日本の刑務所は閉じ込めて規律正しく生活させることだけに集中し、出所後の生活に対応できない前科者を量産しているとしか思えない。根本的な面での運用改革が必要なのでは。2021/12/23
J D
85
刑務所での受刑者の待遇等がイラストとともに解りやすく書かれていた。受刑者一人の予算は年間50万円に対して実際の必要経費は約300万円。それを刑務所の職員がやりくりして捻出しているらしい。罪人と言えど、衣食住が保証されている。それをどう捉えるかは、読者次第。更生して社会に戻るなら納得できるが、再犯率等を考えるとうーんという感じ。今の日本の社会保障制度と合わせて考えると、ますます、考え込んでしまう。刑務所という社会防衛施設。それだけでは終わってほしくない。2023/12/24
ma-bo
84
知ってるようで知らない「刑務所」の世界を、入所、刑務所での生活、娯楽、刑務官について、出所、問題点等イラストと共に簡潔に分かりやすく書かれている。無縁である(ありたい)世界だがよく理解出来たのも事実😅2024/02/07
きみたけ
72
意外と図書館で予約待ちの人気の本。G.B.の作法シリーズの一冊で、過去に「戦の作法」と「忍びの作法」を読了。監修は法社会学者の河合幹雄氏。一般社会とは大きく異なる「刑務所」という特異な世界。受刑者たちの刑務所での暮らしや刑務所で働く刑務官の職務など、多数のイラストを用いて紹介した一冊。近年は受刑者の高齢化問題、高い再犯率、刑務所の医師不足などが問題となっているとのこと。何かの拍子で刑務所に入ることもありうるので、予備知識として頭に入れておくのも良いかも。2024/07/18