出版社内容情報
今なお世界に強い影響力をもつアメリカ特殊教育について、障害を複合的に対照した通史により世界最先端の特殊教育の構築を可能にしてきた歴史的諸条件とその変化、そして限界を究明する。さらに、明治初期から現代まで、アメリカ特殊教育の影響と日本の受容およびその特質を縦断的に初めて明らかにした労作。
目次
1 19世紀後半までのヨーロッパ的特殊学校のアメリカ的革新
2 20世紀転換期における寄宿制学校の変容と新しい教育経路としての公立学校特殊学級の開設
3 精神薄弱者問題の独自な展開―優生学運動の支配から瓦解へ
4 第二次世界大戦前までの特殊教育における公立学校の役割の拡大と特殊学校―アメリカ独自の特殊教育の確立と現代的課題の発生
5 第二次世界大戦後における世界最先端のアメリカ特殊教育の構築と空洞化―コミュニティ基盤と親・障害者のイニシアティブおよび社会的分裂の進行
6 現代アメリカにおける社会格差の多面的・固定的拡大とインクルージョン運動の多様化
7 アメリカ特殊教育の日本への影響と問題性―参考情報から指針、そして相対化へ
著者等紹介
中村満紀男[ナカムラマキオ]
1945 茨城県生まれ。1967 東京教育大学教育学部特殊教育学科卒業。1972 東京教育大学大学院博士課程(特殊教育学専攻)単位取得満期退学。1972 国立特殊教育総合研究所、1976~94秋田大学、1994~2008筑波大学、2008~11東日本国際大学、2011~17福山市立大学に勤務。現在、筑波大学・福山市立大学名誉教授、教育学博士(筑波大学、1985)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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