内容説明
海峡で結ばれた津軽・下北・道南の歴史の実像に迫る。海峡地域で育む歴史の見方・考え方。海峡を往来した人・モノ・文化を通して地域・日本・世界の歴史を見つめ直す。
目次
第1部 海峡地域の成立(世界遺産になった「津軽海峡文化圏」の縄文世界;水田稲作を途中でやめた/採用しなかった人々―東北北部の「弥生文化」と続縄文文化;大陸の文化と本州の文化の出会い―オホーツク文化と擦文文化;「アイヌ文化」の成立―エミシ・エゾ・アイヌ史)
第2部 海峡地域の変容・動揺(海を渡った壼―北方世界と平泉政権―;和人の進出とアイヌ社会の変容;アイヌ民族と和人の衝突―コシャマインの戦い;モノから読み解く社会hwの和人文化の浸透)
第3部 海峡地域の分断・交流(松前藩の成立と北奥地域―海峡地域の分断と交流―;弘前藩と盛岡藩による本州アイヌ支配の展開―「〓」支配と「内国化」「同化」;「内憂」と「外患」の海峡;箱館開港から箱館戦争へ)
第4部 海峡地域の再編と新展開(青森県の成立と北海道開拓;西洋文化の受容―弘前と函館の女子教育にみる文明開化;帝国の缶詰―北洋漁業の拠点となった津軽海峡;向かい合う「幻の鉄道」―戦時下の物資輸送;敗戦後の津軽海峡は何を繋いだか?)
著者等紹介
大谷伸治[オオタニシンジ]
弘前大学教育学部講師。専門は歴史学(日本近現代史、憲法思想史)。また、札幌の高校と小学校での現場経験があり、一国史的な日本史の枠組みを相対化する教材開発にも取り組んでいる
小瑤史朗[コダマフミアキ]
弘前大学教育学部教授。専門は社会科教育学・歴史教育論。子どもたちが主権者として育つ上で、歴史を学ぶことにはどのような意味・意義があるのかについて思索を重ねている
篠塚明彦[シノヅカアキヒコ]
筑波大学附属学校教育局教授/前弘前大学教育学部教授。「地域から考える世界史」をテーマに、地域‐日本‐世界を往還する歴史教育のあり方について研究を進めている。中学校と高校との歴史教育の接続にも関心をもっている
瀧本壽史[タキモトヒサフミ]
弘前大学教育推進機構特任教授/前弘前大学教職大学院教授。主に近世北奥地域と蝦夷地との関わりや本州アイヌについて研究を進めている。高校現場での経験を活かして地域教材の開発にも力を注いでいる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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