内容説明
36歳女性、異国で夢破れ、家業である大工の世界に飛びこんだ―ハードモードな”現場”の日々を、体当たりの知性とユーモアで疾走する驚きのデビュー作。
著者等紹介
中村季節[ナカムラキセツ]
1987年北海道札幌市生まれ。京都造形芸術大学(現・京都芸術大学)中退。国内外での映像制作、シェフなどを経て現在大工見習い(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ふじさん
73
私と同じ北海道札幌市生まれということで手にした本で、大工見習の日記。18歳で家を飛び出し、世界を飛び回り、様々な職業を経験するが、夢破れ、36歳で父親と同じ大工として働くことになる。予想以上にハードモードな現場の日々を、体当たりの知性とユーモアで疾走する驚きのデビュー作。彼女の眼を通して語れる職場の個性豊かな人々の人間模様が何とも言えない味わいがある。私の知らない世界が垣間見れて面白かった。飾り気のない語り口には引き込まれたが、残念だったのは、ひらがなの文章が多いこと、何度も読み返すこともあった。 2026/04/15
niki
6
面白すぎて一気読み。大工の両親を持つ36歳の女性が大工を始める日記。キラキラな日記なんかではない。怒鳴り声が飛び交う殺伐とした現場、両親はいつも喧嘩しており筆者はそのことで幼い頃から傷付いている。大工が怪我を隠すのは労災にすると面倒だから&国保だと労災隠しという犯罪になるから。大工はひたすらコンビニ弁当を食べる。私なら無理だ。こんな環境で働けない。だからこそ興味深い。私が永遠に知ることの出来ない世界。この人は子どもの時からずっと寂しかったのだろうな、優しい人なんだろうな。筆者の文章を沢山読みたい。正直な人2026/05/06
茶幸才斎
3
朝5時半出発、7時前着。千葉のタワマン建設現場。いつかは外国で働いて自活したいと願い、カナダのレストランで厨房勤めをしたり、イギリスでおにぎり屋を開いたり、利尻島で昆布干しに励んだりしてきた筆者が、ふと両親の職業である大工仕事に興味を覚え、大工見習いを始めた2月から8月までの、きつくて危険で騒々しくて、ときに楽しくときに腹立たしい日々を忌憚なく綴った本。筆者の理想の天地を追い求める旅はまだ続きそうだ。いつかカチッとはまる生き方が見つかればいいなと願う。あと、できれば〝ご飯〟と云ってほしい。〝米〟ではなく。2026/06/15
読書家さん#XivbhF
2
時々挟まれる深遠な思考の流れにハッとさせられながら読んだ。こんな読書久しぶりだ。誰かの受け売りでない、使い古されていない、出来たてホヤホヤの言語化の産物と出会い、嬉しくなった。読み飽きた言葉ではない。新鮮な気持ちで読んだ。この人、才能あるなぁ。2026/04/23
TTK
2
で要するに友達がいなくて寂しくて孤独で楽しくない。私は、だからなんだよ、と思った。友達がいないから孤独なぐらいどうした。孤独を友達だと思えばいい、ものをつくれ、そのために、私たちはいままでものをつくってきたのだから。……わたしたちはそれぞれの孤独をあたためて、手を動かして、どこか遠くのだれかの孤独に触れようとする、それがなにかをつくるってことじゃないのか。……そう思ったから、そうだから、ものをつくってるんだろ、違うか。生半可な孤独を私のとこに持ってくんな。p.1762026/04/04
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