内容説明
戦間期の1933年、才気煥発な20代の青年ロバート・バイロンは、イスラム建築の源流をもとめて、地中海からペルシャをめぐり、アフガニスタン北部“オクシアーナ”と呼ばれる地をめざす―。未だ見ぬ異国の美と精神への渇望につき動かされつつ、その地の風土、文化、人心を犀利な批評眼で描き切った20世紀の傑作旅行記が、ついに本邦初訳。
著者等紹介
バイロン,ロバート[バイロン,ロバート] [Byron,Robert]
1905年イギリス生まれの作家、歴史家。上位中産階級の出身で、詩人のバイロン卿とは同姓だが、直接の親戚関係はない。オックスフォード大学(マートン・カレッジ)卒業後、ギリシャを旅した記録をまとめて、東方世界の美術・建築に詳しい旅行作家として頭角を現す。旅の範囲はインド、チベット、ロシアにも広がったが、最大の成果と見なされるのは、地中海東部からペルシャ、アフガニスタン北部への旅を記録した『オクシアーナへの道』(1937年)で、グレアム・グリーンやイーヴリン・ウォーの賞賛をうけ、ブルース・チャトウィンは自分の「聖典」だったと語った。1941年、乗っていたエジプト行きの船が、ドイツ軍の魚雷攻撃を受けて沈没。享年35
小川高義[オガワタカヨシ]
1956年横浜生れ。東京大学大学院修士課程修了。翻訳家、東京工業大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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