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ルポ 日本の土葬―99.97%の遺体が火葬されるこの国の0.03%の世界

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  • サイズ 46判/ページ数 176p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784910357133
  • NDC分類 385.6
  • Cコード C0014

内容説明

亡くなった遺体の99・97%が火葬される日本。しかし、その日本にも「土葬」を求める人々がいる。ムスリム移民、伝統的神葬祭、そして新しい形の葬送を求める人々…。そんな0・03%の世界の、「いま」を追った。

目次

第1章 大分県イスラム土葬墓地問題(なぜ日出町なのか;立命館アジア太平洋大学という存在 ほか)
第2章 ムスリムが土葬を望むわけ(なぜ土葬がしたいのか;火葬に順応した日本のキリスト教 ほか)
第3章 日本の「伝統」としての土葬(土葬を経験した神主;火葬は「日本の文化」か ほか)
第4章 土葬に必要な手続きとお金(土葬の手続き;土葬の手間とやり方 ほか)
第5章 それでも反対する人々の心理(かぼすジュースの味;3つの難しいテーマ ほか)

著者等紹介

鈴木貫太郎[スズキカンタロウ]
1981年、東京都生まれ。東京電力退社後、アメリカ・オハイオ州の大学を卒業。早稲田大学ジャーナリズム大学院修了。米ニューヨーク・タイムズ東京支局、フィリピンの邦字新聞・日刊まにら新聞勤務を経て、現在フリーランス記者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

パトラッシュ

106
土葬希望者が絶滅危惧種の日本におけるムスリムなど土葬を望む人との衝突を取材したルポだが、むしろ繁栄する都市に対して衰退が続く日本の田舎のプロテストが見えてくる。地方にしがみつく住民は都会への公言できない不満や見捨てられたとの感情をため込んでいたところへ、主に外国人のための土葬墓地を作る話が来て「都会の連中は国際化とか多文化時代を唱えながら、それに伴う迷惑施設は自分たちに押しつけるか」と怒りが爆発したのだ。土葬について考えもしなかった行政の不作為もあり、おそらく絶滅集落跡が土葬墓地に転用されることになろう。2023/03/23

hexia

8
大分県日出町で起こったムスリム土葬墓地問題を端緒に、日本の土葬を追う▼ムスリム土葬墓地問題はムスリム側、地元民側双方を丁寧に取材しており好感。後半では広く日本の土葬を追っている。自分の父を神道式土葬に付した神職に対する取材が印象的だった▼墓地の新規建設は難しい(我が祖母が眠る、そしていつか私も入る墓苑も、建設の際にはだいぶ揉めたと聞く)。加えてムスリムで土葬とくれば現地住民の反発は想像に難くない。今後ともネット民のレスバトルや一部政治勢力のおもちゃにされない、真摯な議論が必要な話題であると感じた2023/04/04

7
結局のところ、なんでもかんでもセンセーショナル化するネットは碌でもないという話になるのかもしれない。理解はしたいけれども感情はどうしても抗えない。だからこそ、地域ではなく国家である程度の方針を決めるべきであるという感じもする。いつかは問題解決するだろうけれども、しかし平坦な道はまだまだ遠く。火葬になったのは、便利だから、地域ではなく個となったから、なんともこう実利的である。なんか箇条書きになってしまいましたが、知らなければならないことがきちんと書かれている本でございましょう。2023/03/15

モーリーン

5
良いルポだった。筆者の取材対象の描写にため息がでた。人の『生』がある。そして経済的な問題や他の宗教への取材が良かった。 冠婚葬祭、どの文化でも地域性なんかが色濃く出てくるもの。文化の変化は時間をかけて様々な問題を混ぜたり削いだりしておこなわれるものだと思う。戦後はまだ弥生時代より短いわ。夢見がちなので、個々の時間はないけれど、歴史の時間はまだあると思いたい。 そして『NIMBY』。面白い感情だと思った。距離を取りたい施設があるな…眠りが浅いから…。 それにしても「文化がちがーう!」は名文である。2023/05/29

かっぱ

4
大分の土葬墓地問題に関して4年間の取材にもとづいてまとめられたルポ。報道をみているだけではわからない背景が、フラットな立場で書かれていて興味深い。 この件に関心があったらかなりおすすめ、というか必読。2023/07/04

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