出版社内容情報
河野別荘地[コウノベッソウチ]
著・文・その他
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
坂津
1
前作の短編集『渚』が好みだったため作者のTwitterを確認したところ本作の連載を知り、単行本として上下巻が出版されたのを機に通読。本作の主な舞台は瀬戸内海に浮かぶ暮島という架空の離島であり、作者の出身地の愛媛県をイメージしたとのこと。また、作者のTwitterにて、連載前に島根県隠岐の島町のスーパーマーケット・サンテラスを取材したと書かれており、隠岐やサンテラスに立ち寄ったことがある身としてはその点も気になっていた。通読してみて、1万5千人程度の人口規模の島の雰囲気がよく描けていると感じられた。2022/10/22
うさやま
0
瀬戸内海の島に越してきたスーパーの店長と地元の姉妹を中心とした人間模様。恋愛のトライアングルも様々なエピソードも既視感はあるけれど程よい緊張感で読ませられる。なんか独特の塩梅がある。2023/01/12
乾圭
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暮島にスーパーの店長として赴任した村田と、雪下姉妹のお話。姉の月乃と結婚してくれと村田にお願いする妹の合花。しかし月乃もツチノコ博物館を運営している奇妙な人で。月乃に想いを寄せている洋介などなど、島民の関係性も面白い。話がゆったりとしているので何を起点に動くのか、下巻も楽しみ。2022/12/03
たけのこ
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スーパーの店長として島に赴任してきた主人公はバイトの女の子に「姉と結婚してくれませんか?」と提案される。もっと奇想天外なものを想像していたのですが、今のところツチノコは出てきていません(笑 丁寧に紡がれるこの物語はとても心地よく、下巻とても楽しみです!2022/09/10
クマリカ
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さっき届いて一気に読んだ。 朝ドラみたいな爽やかなお話。 ヒロインはとにかく良い子だし、舞台ものどかな田舎で普遍性がある。 目指していた(いる)ものはあるけど手に入れてない、けど腐らずに地味に今・ここでキチンと生きている。 幸せになって欲しいヒト達。 父は不在でツチノコというファルス象徴だけがある。 そのファルス象徴に対して異なる意見の姉妹、その姉妹に近寄るとぼけた男達。 姉は男らしさ、つまり父的な強さの帰還を要求する。 不在の中心を巡る静かな葛藤。 おすすめです。2022/08/13