内容説明
アートとは、純粋美であると同時に歴史を通じて人々に共通認識されてきた「制度」だった―。西洋美術がいかにして「審美的価値」「社会的価値」「経済的価値」を獲得していったのか東京京橋に画廊を構える著者が解き明かしていく。
目次
第1章 アートとは何か?
第2章 ルネサンスに見るアーティストの誕生
第3章 ルネサンス以降のアートの変遷
第4章 メディアとブランドの誕生
第5章 画商の勃興とその発展
第6章 アートとビジネスの関係
著者等紹介
〓橋芳郎[タカハシヨシロウ]
株式会社ブリュッケ代表取締役。1961年、愛媛県生まれ。1996年、銀座に「翠波画廊」を開店、その後2001年に京橋に移転して現在に至る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ
123
京橋で画廊を経営する著者が紐解く画商の歴史。丹念にその歴史を説明しており、ルネサンス以降の西洋アート史、フランスでブランドの誕生と画商の勃興がどのようにして起こったのか理解しやすい。中世で画商は元画家だったが、17世紀オランダで近代的な画商が生まれ、18世紀フランスのアカデミーがサロンで売買するシステムを作り、19世紀印象派の画商としてポール・デュラン=リュエル(表紙)が、現代に続く商法を生み出した。フランスのブランドとアメリカの資本がアートビジネスを発展させたのが今に至る、ということの成り立ちがわかる。2023/04/10
エデン
2
ブランディングの本としても読めた。 時代に挑戦する画家モネが好きやった。絵の価値が作者の名前へ変わっていく歴史は面白かった。 アートとビジネスは似てる両方虚構だ2024/01/24
菜摘
2
歴史と美術をつなぐ別の本を読んだばかりだったので、より深く読み進めることができたように思う。 現代を生きる人間として過去の史実を読んでもなかなかスッとは入ってこないが、この本は当時の背景を細かく記載してくれていたので、その時代に入り込んだ気持ちで読むことができた。2023/02/21