ａｊｕｍａ ｂｏｏｋｓ 三人の女〈下〉―二〇世紀の春

チョ ソニ【著】/梁 澄子【訳】

アジュマ（2023/08発売）

• サイズ 46判／ページ数 358p／高さ 19cm
• 商品コード 9784910276120
• NDC分類 929.13
• Cコード C0097

内容説明

許貞淑が八路軍の政治指導員として太行山へと行軍していた一九三九年、親友の朱世竹はカザフスタン・クズロルダの流刑地で命をつないでいた。いっぽう転向書を書かされ、京城で静かに暮らしていた高明子のもとにある日、親日雑誌『東洋之光』の社長が訪れ…。近現代史とフェミニズムの新たな必読書、女性作家による韓国ベストセラー歴史小説完結編。

著者等紹介

チョソニ［チョソニ］
１９６０年江原道江陵生まれ。江陵女子高校、高麗大学を卒業し１９８２年聯合通信社で記者生活を始める。ハンギョレ新聞創刊に参与し、文化部記者となり、雑誌『シネ２１』編集長をつとめた。韓国映像資料院長とソウル文化財団代表を歴任し、２０１９年秋から２０２０年春までベルリン自由大学に訪問研究者として在籍した。『三人の女』は２００５年に執筆を始めたが、二度の公職生活によって中断され、１２年をかけて完成された。『三人の女』で許〓文学賞、樂山金廷漢文学賞、老斤里平和賞を受賞

梁澄子［ヤンチンジャ］
通訳・翻訳業。一般社団法人希望のたね基金代表理事。日本軍「慰安婦」問題解決全国行動共同代表

佐藤優［サトウマサル］
１９６０年１月１８日、東京都生まれ。１９８５年同志社大学大学院神学研究科修了（神学修士）。１９８５年に外務省入省。英国、ロシアなどに勤務。２００２年５月に鈴木宗男事件に連座し、２００９年６月に執行猶予付き有罪確定。２０１３年６月に執行猶予期間を満了し、刑の言い渡しが効力を失った（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー

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[チェアー]

一気読みした。ドラマとして素晴らしく面白かった。細かい点まで調べて描かれていて、歴史書を読んでいるような感覚もあった。根本を貫いていたのは、女性の魅力だ。それぞれがまったく違う背景を持ちながら、人を愛し、裏切られ、絶望し、わずかな希望を喜ぶ姿が克明に描かれていた。そして、だれも幸福でない死に方をしたことについて、それが必然だったのかを考えたい。

2024/02/24

[Red-sky]

難しいところもあったけど、それでも面白く読み進められた。まさに「朝鮮半島の共産主義の誕生から消滅まで」が描かれている。その誕生には一義的には日本の植民地支配が原因ではあるものの、解放後にソ連アメリカによる分断がさらに彼女たちを混乱に追い込む。これを読んでいると北朝鮮とソ連のつながりも知ることができて、ウクライナに送り込まれた北朝鮮兵を思い出さずにはいられなかった。こうして歴史は繋がっていて物事を理解するにはちゃんと知識がないといけないと思わされる一冊だった。

2025/03/23

[kuronyann]

　ワクワクはしないが放棄するのがもったいなく読み進んだ。３人の女の生涯に惹かれる。名前がたくさん出てきて確認が面倒。作者あとがきでは「漢字名で登場する人は全員、実在する人物だ」（３３１頁）とのこと。今後、参考になるかも。 　作者は「１８４８年のパンフレットから始まった１９世紀の理論は、２０世紀に世界的規模のイデオロギー闘争として展開されたが、世紀が変わる前に終了した」（３２８頁）と。アメリカなどの若者層では社会主義支持者が多数派とか。オーストリアの世論調査でも社会主義支持が多数だ。なかなかしぶといのだ。

2024/06/24

[蝮]

生ききった。1920年代に朝鮮で生まれた共産主義を牽引した女3人は、日本からの解放後、闘う相手を間違えた社会の中で死んでいく。そして朝鮮の共産主義は1950年代の粛正の中で、消えてしまった。

2025/04/23