著者等紹介
ファンモガ[ファンモガ]
2006年に来日し、漫画家の制作スタジオ、IT企業にて勤務。東京居住中に韓国語で執筆した本作「モーメント・アーケード」で2019年第4回韓国科学文学賞中短編部門で大賞を受賞しデビュー。2020年に韓国文化放送(MBC)で放映されたドラマシリーズ「SF8」の原作に短編「ARブラインドラブ」が選ばれる。2021年に第8回韓国SFアワード優秀賞を受賞
廣岡孝弥[ヒロオカタカヤ]
1981年富山県生まれ。慶應義塾大学環境情報学部卒業。リトルプレスの制作およびそのサポート業に従事。2017年頃より韓国のインディーズ音楽やラジオに興味を持ち、韓国語の学習を開始。第5回「日本語で読みたい韓国の本 翻訳コンクール」にて「モーメント・アーケード」で最優秀賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
スター
30
著者は韓国人で、日本語学校に始まる約15年の日本での居住・就労経験があるそうです。本の前半は日本語訳の全文が、後半には原文の韓国語が全文載っているので、語学の勉強にも良いかも。 第4回韓国科学文学賞の中短編部門に選ばれたSF小説。 毒親の元で生まれ育ったヒロインの悲劇を描く。2025/10/02
あおでん@やさどく管理人
22
【第54回やさどく】ドラマチックなものではなく、何も起こらない穏やかなモーメントを求めたくなる気持ちはよくわかる。韓国語の原文も載っているので少しだけ見てみたが、語順がほぼ同じだからといって逐語訳、というわけではない部分も多かった印象。2025/10/11
かもめ通信
17
“モーメント・アーケード”は見知らぬ誰かが体験した記憶のデータをショッピングできる場所。「会社員のお昼休みに体験したモーメント」「人気女優のモーメント」「ノミの心臓を持つビビリのホラー映画鑑賞モーメント」等々。短く編集されたあらゆる人生の“瞬間(モーメント)”が売り出されている。語り手の「私」はそんなモーメント・アーケードのユーザーだ。短篇の中に、ずしりと重い物が詰まった作品であると同時に、私ならどんな“モーメント”を売りに出すだろう?などと、思わずあれこれ想像してしまう軽やかさも兼ね備えた作品でもある。2022/08/17
ゆき子
6
ここ数年ハマりつつある韓国文学でSFは初めて。しかしSFとはいえ近未来感のあるVRコンテンツも現代に通じる主人公の苦悩や家族や周りへの負の感情も身に迫るものがある。後半の驚きの展開と希望も素晴らしい。2023/03/22
Jessica
4
SF的な奇妙な世界観、東アジア特有の家族関係、世界共通の感情の行き違い。そんなものを全て感じられる、驚くべきショートショートです。 物語のすばらしさは勿論のこと、日本語・韓国語・どちらの言語でも読めるというのは語学学習者にとって願ってもみない存在ではないでしょうか。かくいう私も、まず日本語、その後倍以上の時間をかけて韓国語で楽しみました。 私にとって、韓国語を読むことはパズルを解くのと同じ感覚。母語で本を読むのとはまた違った脳を使っているように感じます。2022/10/07




