内容説明
人類史の中の法哲学。歴史的に広く見わたされた法哲学の場所と諸課題。法と哲学の関係は人間の歴史の各ステージにおいてどんな意味を持ってきたか。そして「現代」というステージにおける法哲学の役割は何か。困難な時代に左派自由主義の法哲学者として活躍した恒藤恭。保守的性格が極めて濃厚な法の世界を個人主義の哲学的立場から基礎づけ、世界戦争を経た「現代」において倫理的自由からさらに法的自由へと進む道の意味を説く。
目次
法律とヒューマニズム
個人の尊厳―自由の法理との連関から見た個人の尊厳について
世界における法と人間
法の主体
哲学と法律学との交渉
法哲学の意義と課題
法的世界と法的世界観
著者等紹介
恒藤恭[ツネトウキョウ]
1888‐1967。法哲学者。1916年京都帝国大学法科大学卒業。同志社大学教授を経て1922年京大助教授、1929年同教授。1933年滝川事件に際して辞職。その後、大阪商科大学(後の大阪市立大学)講師、教授を経て、1949‐57年大阪市立大学学長。1946‐49年京大教授兼任。1949年学士院会員。1962‐65年日本法哲学会理事長。1966年文化功労者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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