内容説明
元勲、官僚、インテリ、庶民―。それぞれの民権家はどこから来て、運動はどこへ向かったか。多数の主要民権家の出自と経歴を考察し、民権家相互の関係から自由民権運動の全体像とその運命を描き出す。複数の層をなすそれぞれの民主化の動機、性質、限界。自由民権運動の不徹底さはその時代の人々のみならず、後世子孫にまで害毒をもたらしてきたという見方を持つ著者が、自由民権運動を批判的に評価した基本文献。
目次
日本の自由民権(事実の貧困と思想の先行;国際情勢と日本;武力的反抗の転換と民権運動;政府の自由民権対策;民権思想の一瞥;十四年政変と自由党、改進党の結成;政府の結束強化と自由党・改進党の抗争;ブルジョア的地主の酒屋会議と貧民の秩父暴動;自由民権運動の国権面としての清仏事件と大阪事件;その他の事件暴動;政府の攻勢と民党の崩壊;自由民権をつぐもの)
自由民権家とその系譜(民選議員建白をめぐる人々;立志社の人々;明六社の人々;共存同衆の人々;嚶鳴社の人々;国会期成同盟の人々;東洋自由新聞の人々;国友会の人々;〓渡会の人々;交詢社―東洋議政会の人々;後藤象次郎;板垣退助;大隈重信)
著者等紹介
田中惣五郎[タナカソウゴロウ]
1894‐1961。日本近代史家。高田師範卒。順天中学教諭、鎌倉アカデミア講師、明治大学講師を経て、明治大学教授。教育の仕事と並行して社会運動、執筆活動を行い、著作は『日本叛逆家列伝』『東洋社会党考』『天皇の研究』『幸徳秋水』『吉野作造』『西郷隆盛』『北一輝』(毎日出版文化賞受賞)『日本ファシズム史』など50点以上(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
-
- 電子書籍
- 暴力団捜査 極秘ファイル 初めて明かさ…