目次
1(手のひらの平野;冬の速度;黒猫と六等星;原色;緑ヶ丘;わたくしの椅子;蛇口;みずは香る;ブラキストン線;メリーゴーラウンド;一滴の黒;みぞおちの家;うつくしい山)
2(連凧;ふたり一緒に;ひらかれて;春のコート;トランプタワー;わたくしが国;ロバート、ロバート)
3(斧;求婚したい;愛に相遇したか;北へ来い;火星の街;肉/孤島;ポプラを撫でる)
4(ひとから樹木へ;雪子;離島;心にも五体があれば;邂逅;静物の親;白い握力;蛇行;冬の両手/窓を配る;出ておいで;からだより一歩進んで;朝までの道;北に生まれて)
著者等紹介
石畑由紀子[イシハタユキコ]
1971年北海道帯広市生まれ。2021年第36回北海道新聞短歌賞候補(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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yumicomachi
2
北海道に住む作者の第一歌集。独特なポエジーと生命への切実な思いに充ちている。甘いだけにとどまらない恋愛の歌や、病と手術の歌にも読み応えがある。〈港にも港がほしいらぷらぷと風はらませて帆は遠ざかる〉〈明後日の天気予報でふんばっている雪だるまくるしいですか〉〈どのみちを選んでもさみしいときはゆたかなほうをゆきなさい 火よ〉〈ゆきこ、ゆきがじきふりますよ空の底から声がする帯広の声〉〈悔しいな 北に生まれてシマエナガお前もここで亜種と呼ばれて〉等387首。栞文は松村正直、北山あさひ、佐伯裕子。2023年2月発行。2023/03/08
空の落下地点。
1
著者謹呈。知ってる病院、知ってる地名。同じ空気を吸いながら、生きている人の歌だ。砂糖がコーヒーになる、鹿が私になる。どちらかがどちらかに取り込まれる、という対等じゃなさは男女関係にも通ずる。女は弱いけど、生きものたちは、女より弱い。その数多の弱さの上に立って尚、私は私を弱いと言えない。2023/03/07
桜井夕也
1
泣きながら三月の蛇口へ駆けてきた雪解け水その痛みをすくう/雀語に猫語をかえす野良の尾のわからないというかけがえのなさ/誤作動を脳が起こせば真夜の淵せかいに一つきりの心臓/悔しいな 北に生まれてシマエナガお前もここで亜種と呼ばれて2023/02/12
里十井円
0
好きだしどんどん読まれてほしい。表紙も好き2023/09/30