目次
1 時評・評論(2011・4‐2014・1)(言葉のパズル;大震災を前にして ほか)
2 時評・評論(2014・1‐2016・12)(近代の巨人;内向きな批評を脱して ほか)
3 「毎日新聞」短歌月評(2014・4‐2018・3)(小高賢の言葉;ジェンダーと選考 ほか)
4 時評・評論(2017・1‐2018・9)(方言、共同体、死者の声;日本語文法と短歌 ほか)
5 「朝日新聞」短歌時評(2019・4‐2021・3)(万葉集と「令和」;母の死と向き合う ほか)
著者等紹介
松村正直[マツムラマサナオ]
1970年東京都町田市生まれ。1997年塔短歌会に入会、河野裕子に師事。2020年塔短歌会を退会。現在、「短歌」に「啄木ごっこ」を連載中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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yumicomachi
4
架橋する本、という感想を抱く。「結社」「短歌総合誌」「文語」「自費出版」を基盤とした従来の歌壇の枠組みに対し、若い世代を中心に「ネット」「同人誌」「口語」「商業出版」という新たな枠組みが生まれつつある現代短歌界のどちらの枠組みにも目配りしつつ(やや前者に軸足を置きつつも)、真摯に向き合う姿勢が印象的だ。また地方と中央の意識の差について特に東日本大震災を巡る短歌を通じて思索したり、口語短歌について、世代論にとどまらず日本語教育文法の考え方を用いて丁寧に分析したりしているところも興味深い。2021年9月刊行。2021/11/24
あいお
3
10年間の時評。震災からコロナまで。短歌の10年間を知る。短歌を通して社会を知る。さまざまな短歌トピックスについて(たとえば、口語か文語か/何を書くかとどう書くか/結社やネット/私性や作中主体、等)、単なる二元論ではなく色々な側面を見出して述べている。特に文法について書かれているところが面白かった。2022/01/21