内容説明
古典的名著『新しい学』の実質上の第一稿。ローマ法の具体的な展開過程に即して文献学の改革を志向したバロック人ヴィーコ、その思索の背景と元型を示す。中世と近代との吃水域で育まれた思考、それは骨太な論理と豊かな感性に富み、近代の土台と骨組みとを逆照射してくれる。転換期に新しく登場した現実と量りあうことの可能な、知の多元性とダイナミズムとを模索した記録。もう一つの近代へ。
目次
第1巻 普遍法の単一の原理と単一の目的(著作の序言;普遍法の単一の原理と単一の目的)
第2巻 法律家の一貫性(哲学の一貫性;文献学の一貫性)
補論(上村忠男)(マルブランシュの思想との親近性について;正義と比例;ケルゼンとフェアドロス―「根本規範」の概念をめぐって)
著者等紹介
ヴィーコ,ジャンバッティスタ[ヴィーコ,ジャンバッティスタ]
1668‐1744年、ナポリの哲学者。デカルトの第一原理「わたしは思考している、ゆえにわたしは存在する」は意識の事実にすぎないとして、これに「真なるものと作られたものとは置換される」という命題を知識の原理として対置するとともに、とくに後半には「人類の共通感覚」に準拠して作成した「知性の内なる辞書」を手がかりに「諸国民の共通の自然本性についての新しい学」を構想したことで知られる
上村忠男[ウエムラタダオ]
1941年生まれ。専攻、学問論・思想史。東京外国語大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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