内容説明
世界の誰もが知る007/ジェームズ・ボンド。ボンドを演じた六人のスターの中で、ダニエル・クレイグのボンド世界では、以前と違うまったく新しい世界が5連作で作られた。「ボンド=007」の誕生から死までの緻密にして華麗な娯楽映画であり、孤児だった闇を実存的にかかえる孤独なボンド世界であり、ヴェスパーなる女性を本気で愛し続けているボンドであり、命からがらのぼろぼろに汚れた傷だらけの闘いをなす。その魅力の世界には多くの知的構成の意味作用が横たわっている。冷戦構造の解体後、ブロスナン・ボンドにおいてから、ボンド映画が批判を受けてきた女性・人種・民族に関する差別的構成の克服がなされてきた。要人とはボンド自身の他者なる欲望の姿であり、スペクターという怪物犯罪組織の首領とボンドは兄弟である。そして悪人とは時代そのものの姿の現れである。
目次
007は永遠に?!
あらあらしくもビシッとかっこいい ダニエル・クレイグのボンド
ボンド映画の文法的パターン:物語公式
ボンドの敵=悪党は時代の表象
ボンドガールからボンド・ウーマンへ
ジェームス・ボンドとは何か?
ジェームズ・ボンドの元型:ショーン・コネリー
007シリーズのプロデューシング
まとめ ボンド世界の転移形成と物語展開における欲望構造
著者等紹介
山本てつし[ヤマモトテツシ]
映画理論研究者。西部劇、フィルムノワール、高倉健・藤純子の任侠映画をめぐって深い哲学・文化考察をなす。趣味と研究の戯れに世界水準で思考する理論者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ちゃーりー
ハヤカワショボ夫