感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いとう・しんご
11
ボルタンスキーによるボルタンスキー入門、って感じの新書本。既存の単行本を圧縮、再編集した本らしい。戦後の社会学は体系性を追求するあまり決定論的な色彩が強すぎて、ついてけないけど、ボルタンスキーはより倫理学や哲学との重なり合いが見えていて、好感を持てました。リクール切っ掛けで「正統性」は読んでいたけれど、他の著書にも言及があり、色々と読んで見たくなりました。2023/05/23
うえ
7
ブルデューと長年働いた思想家の書物。ブルデューの『実際行為の理論素描』を高く評価しつつも「彼は自己の作品をあまりにも確定させ、閉ざしてしまったため…社会学の前進の障害になっています。多くの若者が、本当の実地研究をせずに済ませています」と指摘する。「フランスでは現在、社会学は…具体的には大きな成功を収めています。いまではどこにでも社会学者がいて…どんな小さな市町村にもです…ですから社会学者はもはや、20世紀初頭の人類学者の境遇にあるかのようにふるまい続けることはできません」と述べる。日本と事情は変わらない…2021/09/02