内容説明
人類学者と数学者とAI開発者が、西洋的論理と東洋的思考を行き来しながら、「理性」と「直観」のあいだに拡がる未開拓の「思想」の領野を切りひらく!
目次
第1章 導入
第2章 数学とレンマ学
第3章 レンマ界の集合論
第4章 岡潔のレンマ的数学
第5章 解説
著者等紹介
中沢新一[ナカザワシンイチ]
1950年生まれ。人類学者。東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。京都大学特任教授。著書に『増補改訂 アースダイバー』(桑原武夫賞)、『カイエ・ソバージュ』(小林秀雄賞)、『チベットのモーツァルト』(サントリー学芸賞)、『森のバロック』(読売文学賞)など
千谷慧子[チタニサトコ]
1932年生まれ。数学者。東京大学大学院数物系研究科博士課程修了。中部大学名誉教授
三宅陽一郎[ミヤケヨウイチロウ]
1975年生まれ。AI開発者。博士(工学、東京大学)。東京大学生産技術研究所特任教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Tenouji
10
非常に引き込まれた内容。第4章「岡潔のレンマ的数学」が圧巻。「不定域イデアル」は理解していないが、イデアによる多変数関数のイメージが浮かび、「実」が空である「イデア」で動的に分解されていく過程がレンマ的であるように直感した。第3章の「レンマ界の集合論」も専門的で一読ではほとんど理解できないのだが、分解されたものの構造そのものが問われているのだと感じている。トポロジー的な話しは、本当にざっくりとしか理解していないので、少し掘ってみたいと思う。こちらも、全体性を見るに非常に有益なヒントを与えてくれている。2025/08/09
月をみるもの
9
竹内外史ともつながる数学者+三宅さんが共著なので、ざっくり読んでみたのだが、中沢新一の芸風が昔とまったく変わってないことを確認しただけであった。。2025/09/14
Go Extreme
2
理性の光が届かない0の裏側 論理的表現に空いた穴からの情報 レンマ的知性とロゴス的知性の協働 アーラヤ識という混成空間 異なるものを同じとみなす数学の技術 華厳経に見出されるレンマ的論理 法界の動的な変化と縁起の理法 無限の概念によるロゴス的知性の限界 自分自身の中に無限を内包するニュメロイド 岡潔の不定域イデアルという曖昧さの数学 パラドックスを内包する良い数学 有ではなくゼロを土台とする世界構築 数学的自然の成長における曖昧さの作用 創造性の源泉となる第二の心 念仏や観想を超える光明主義2025/05/05