内容説明
とある法律事務所に勤めていた弁護士は、あるとき世界各国放浪の旅にでる。目的の1つは裁判傍聴。訪れる先々で法廷へ赴き、傍聴したその国は30カ国。各国で出会う魅力的な人々や文化、緊張感漂う法廷内外の様子、裁く者・裁かれる者たちの人間模様を、ときに弁護士、ときの旅人の視点でみずみずしく描く。番外編として東京地方裁判所での裁判員裁判をおった迫真のルポも収録。
目次
第1部 ユーラシア(その一)
第2部 アフリカ(その一)
第3部 アフリカ(その二)
第4部 ユーラシア(その二)
第5部 北太平洋と南米
第6部 ユーラシア(その三)
第7部 南太平洋
著者等紹介
原口侑子[ハラグチユウコ]
東京都生まれ。日本法弁護士。東京大学法学部卒業、早稲田大学法科大学院修了。弁護士を休業中に各地を転々とし、アジア・アフリカ・中南米・大洋州を中心に124カ国訪問。現在は主にアフリカの司法制度調査プロジェクトに従事している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
サトシ@朝練ファイト
25
旅のエッセイ、旅先の裁判傍聴、司法に関連した雑記。飽きさせず楽しい読書体験でした。2022/05/29
itokake
19
著者は弁護士でバックパッカー。旅先で世界の裁判所をのぞいた。裁判所の中にすら入れなかったり、傍聴しても現地の言葉がわからず雰囲気だけの記述も…。傍聴マニアの傍聴記と比べると物足りない。だけど、世界の裁判所についてエッセイを書ける人は、たぶん日本では著者だけだと思う。本を書くための旅行ではなかったと考えると、出版してくれたことに感謝。同席した弁護士に傍聴している裁判の解説を頼むが、傍聴回数が少なくて物語にならない。1件だけオンラインでその後がわかるが、こういうのがもっとあると読みごたえに繋がった。2023/04/24
よしじ乃輔
16
弁護士の著者が世界を巡り、各国の裁判を傍聴した記録。旅先の風景も多く盛り込まれ旅行記ともエッセイとも言える傍聴記。ルワンダでは裁判のIT化され自宅にネットのない人は町中のネットカフェから裁判を行うこともあるとの事。司法へのアクセスを拡大するには国が体制を作ればいいという考え。日本の考え(ネットがない人もいるから新技術導入は先送り)と逆を行く。2022/11/19
リョウ
11
世界のどんなところに言っても、形は違えど裁判は存在する。裁判の傍聴を比較法という観点ではなく、あくまで旅行記の中の一部という位置付けをとっているので、気軽に読めるけれども、その分裁判というものの違いを日常的な感覚の中で感じられる。裁判そのものもだけれど、誰にでもすぐに話しかけられることのできる著者がすごい。2022/07/12
駒場
9
世界でどんな犯罪がどんなふうに裁かれているのか?というものではない。どちらかというと、元バックパッカー且つ元弁護士がアフリカや太平洋諸国やアジアへの旅でふらっと法廷に入ってみましたというエッセイ(言語が通じないのだから、そりゃあそうか)。しかしその中で、青空裁判があったり、ものすごい流れ作業で裁かれている国があったり、経済規模は小さいのに日本よりよほど法曹のIT化が進んでいる国があったり……という面白さはある2022/06/23