内容説明
社会の底辺で生きている人間たちがふきだまる宿泊所。「仕事もねえし…力もねえ!…これこそが真実だ!居場所が…居場所がねえんだよ!」過去にいい時代があったと言う者もいれば、犯罪に手を染めたらしき者もいる。昼間は手に職のあるものは手を動かし、商売ができるものは市場に出ていくが、夜はみなこのどん底の宿に戻ってきて先の見えない眠りにつく。「人間なんてみんな、木っ端が川に流されるみてえに生きてるんだ」と言いながらまぎれもなく同じ社会に存在する人間たちを描いた20世紀はじめの戯曲がいま新訳で心に響く。
著者等紹介
ゴーリキー,マクシム[ゴーリキー,マクシム] [Горький,Максим]
1868~1936。本名アレクセイ・ペシュコフ。ニージニ・ノヴゴロド生まれ。幼いころに両親が亡くなり11歳から働きはじめ様々な職業を転々としながら国内を放浪、革命運動に関わって何度か逮捕や投獄も経験した。24歳で最初の作品を発表、その後作家として文名を高めてゆき、1902年には『どん底』をモスクワ芸術座が上演して大きな反響を呼び、出版された本の売り上げも10万部を超えた。1917年の革命後はボリシェヴィキ政権と対立して国外に移住したが1933年には帰国、社会主義リアリズムを主導し作家同盟の初代議長もつとめるなどソ連を代表する作家となった
安達紀子[アダチノリコ]
ロシア文学・ロシア演劇。早稲田大学大学院文学研究科博士課程(露文専攻)満期退学。朝日新聞モスクワ支局勤務などを経て、早稲田大学、慶應外語講師。著書に『モスクワ狂詩曲』『モスクワ綺想曲』(小野梓芸術賞)、共訳書にスタニスラフスキー『俳優の仕事』(未来社、日本翻訳出版文化賞)などがある。1999年、ロシア文化省よりプーシキン記念メダルを授与される(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ω
スズコ(梵我一如、一なる生命)
たつや
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中海
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