内容説明
映画伝来120余年、絶えることなく続いていたもう1つの映画史!
目次
序章 活動写真弁士は本当に滅びたのか
第1章 映画伝来から旧劇・新派まで―弁士の登場
第2章 無声映画の黄金時代―弁士の確立
第3章 トーキーの到来―まだらの時代
第4章 残された謎の時代―戦時中・海外の弁士たち
第5章 焼け跡の弁士たち―無声映画復活の日
第6章 ホールを巡る弁士たち―「懐かしの」自主上映 二つの選択肢
第7章 東西の継承者―澤登翠と井上陽一
第8章 ミレニアムの転機―集う若手弁士たち
第9章 それぞれの活路―片岡一郎と坂本頼光
第10章 劇場への帰還―立つ演奏家・映画館主
著者等紹介
高槻真樹[タカツキマキ]
1968年生まれ。『文字のないSF―イスフェークを探して』で第5回日本SF評論賞選考委員特別賞、『狂恋の女師匠』で第4回創元SF短編賞・日下三蔵賞を受賞。日本SF大賞選考委員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あんすこむたん
2
弁士について詳しくまとめた本。登場から現在まで書かれているので、どういう状況なのかも把握しやすい。ただし、現在の部分については熱が入りすぎて、応援のようになっているが、著者の思いは伝わる。2022/05/18
糸くず
2
「トーキーの登場により、無声映画と弁士は一気に駆逐された」という一般的なイメージを批判的に検証した前半がとても面白かった。敗戦から間もない1948年にレニ・リーフェンシュタールの「オリンピア」二部作(『民族の祭典』『美の祭典』)がリバイバル上映されており、朝日新聞にも広告が掲載されていたのには驚いた。現在活躍中の弁士や伴奏者、およびその関係者へのインタビューを中心となる後半は歴史というよりファンの熱弁に近く、今一つ乗り切れず。2020/07/10
渡邊利道
1
無声時代はもちろん、トーキー以後、戦中戦後や高度経済成長期から現在まで紆余曲折ありつつ健在だった活動弁士の足跡を膨大な資料と精力的な取材でまとめた本。とにかく情報量が多く面白かった。『夢みるように眠りたい』の松田春翠のエピソードが泣かせる。2021/03/31
Ahmad Todoroki
0
活動弁士の誕生から最新情報まで、タイトルどおりの本で大満足。お腹一杯です。映画がこの先も生き延びるとすれば、それはこの本で紹介された以上の数の活動弁士が日本中で、いや世界中で活躍できる状況が必要でしょう。カツベンとは、正しく映画を活性化させる人なのだ。2023/09/01