目次
持続可能な生活と執筆
てこでも動かない
禁欲と強欲
欠陥品のまま
私が悲しいのは
Everything ok for you
恋の遺影(Re Edit)
速く、もっと速く
幸せじゃないと
名前をつけてくれ
ハローグッバイ
「普通」のおにぎり
いなくならないで
人生、全部
著者等紹介
早乙女ぐりこ[サオトメグリコ]
日記とエッセイを書く人。1987年、東京都生まれ。『東京一人酒日記』などの自主製作本を発行しており、本書が商業出版デビュー作となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
道楽モン
33
文フリで人気の作者による初商業出版。日記をエッセイ化した生々しい内容に抗いようもない魅力がある。承認欲求と精神的な渇望感の表出は、身も蓋もない程の迷走っぷりで、正しく文学以外の何物でもない。フィクションであれば洗練され得る心理描写も、日記形式であるからストレートで深く重い。そこまで書くのかという部分が数か所あり、その突き抜け方が尋常ではない。作家気取りとか文学ごっこなんていう次元を遥かに凌駕する赤裸々さは、他人の日記覗き見的な下衆さを蹴り飛ばす。「生きてるって言ってみろ」と読み手を殴りつける。衝撃度高い。2024/05/16
yuui
11
この「私が悲しいのは」なんてまるで俺やんって言うくらい共感できたし、わからんけどなんか人って色々我慢していきとるけど本来はこうあるべきやんって! 「欠陥品のまま」も良かったな☺️ 僕のLvが7やったとしたら早乙女ぐりこさんはLv9やった! ただ勢いが凄い人っぽいから色々体調とか心配やけど無理しやんとほしい🥺 またどこかで早乙女ぐりこさんの本見つけたら買おやฅ^•ω•^ฅ それと文学フリマ?行ってみたい📚2024/07/23
Moooo
8
こんなにもこの人の描くものから目を離せないのはなんだろう。何が胸を締め付けるのだろう。何が気持ちをヤキモキさせるのだろう。何がこの切実さや真実味を口の中いっぱいに味合わせてくれているのだろう。そんなことを読みながらずっと考えていた。2025/06/05
北京ダック
8
読んだ、そして早乙女ぐりこ氏が紡ぎ出す言葉が怖いくらい自分なのだ。勝手に期待して勝手に幻滅して。そう!そうなのだ。僕は男だが、男だから女だからとは関係なく。うまくいかない時に体に溺れたことなど一度もないが、酒や趣味に溺れたり。不器用な人なんだろうなと心の底から思う。不器用で真面目な人なんだと。だからそう言う人を見ると応援したくなるのは、自分を相手の中に見る?見ようとするからなんだろう。早乙女ぐりこ氏、応援してます。2025/05/08
Yuki Ban
7
ぐりこさんは内なる感情をむき出しにして100走10秒のスピードで人生を駆け抜ける人だ。自分の内臓がむき出しになってるようなものでそれは傷つくし痛みは尾をひくし、人生をロングランするのにその速さは保たない。でもだからこそ彼女独自の文体ができあがっている。心理描写や人物描写が小腸のひだひだのように細かく、直腸のようにストレートだ。とりわけ気に入ったのが情景描写だ。彼女が幸福の時に見る景色はなんて美しいんだろう。むき出しの内臓は美しい世界をよく吸い込むけれど、そのものも綺麗なピンク色をしている。2024/07/31