内容説明
居酒屋『竜の泉』で嘉穂たち3人がお酒をのんでいると、なにやら嘉穂とわけありっぽい女性、姫宮やよいが男性とともに入店してくる。美月と貴美は「もしかして男性を巡っての!きゃー!」と盛り上がるが…。酒は人と人との距離を近くし、居酒屋という空間は予想外の出会いをもたらす。嘉穂は長年打ち解けてなかった同業者の姫宮やよいとの距離が近づき、貴美は杜氏の青年の酒造を訪ね、美月はおでん屋のおばあさんと知り合う。今日も街の居酒屋では、誰かがお酒と出会い、人と触れあっている。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
野のこ
55
お酒の好みや雰囲気からして勝手に私と同年代だと勘違いしたくなるけど嘉穂はまだ20代半ばじゃんね。牛乳焼酎、懐かしいなー。若い頃に飲み会でよく利用してた居酒屋にあって友達がよく飲んでた。味見させてもらったけど全然美味しさわからなかった(笑)今飲んだら美味しいかなぁ2020/11/23
スズ
42
アジフライ、焼き鳥、おでん等々全力で読者の胃袋を刺激する料理の数々と、呑兵衛ならでは酒や肴の論争等、居酒屋の魅力が詰まった呑兵衛女子達の物語の第2巻。梅酒が好きなので梅酒の肴談義が面白く、ピリ辛の炒め物と合わせたりソーダ割りにしてハイボール風にしたり、アイス等のデザートとセットで楽しんだりとそれぞれ違った楽しみ方に魅了されました。焼き鳥はタレ、アジフライはタルタルで頂くのが好きなのですが、この作品は個人の呑み方を尊重しながらお酒に合う肴の組み合わせも教えてくれるので物語兼教科書的な読み物として楽しめました2020/02/16
さくら★もち
27
女子3人が行きつけの居酒屋でただ好きな酒を飲み、旬の味覚を味わい、他愛もないことを語り合うどこにでもある日常を短く切り取ったお話。日本酒や梅酒、ハイボールやビールに最適な肴は何か、逆にこの肴に最適な酒は何かといった酒飲み談義が楽しかった。特にだし巻き玉子に何を入れるか。私は明太子かアオサかなぁ。酒は、人と人との距離を近くする。本当にそうだと思う。普通のことを普通にできない今、イチ酒飲みとしてはひたすら羨ましくて仕方がない1冊だった。2022/01/11
たんぽぽ
26
飲みに行きたい。 気の置けない友人と、居酒屋のカウンターに陣取り乾杯!酒と肴を選んで堪能したい。 ソーシャルディスタンスも忘れて、話し、笑い合いたい。2020/08/13
緋莢
26
居酒屋「竜の泉」に集う嘉穂、美月、貴美。3人の女性を中心に書いた短編が収録されたシリーズ2冊目。もっとも、1人しか出てこない時や酒造見学に行ったり、「竜の泉」の店員たちの話もあったりしますが。「タルタルソース」、「醤油とからし」、「レモンを搾ってウスターソース」とアジフライで〝戦争”が起きかけたり、美月が「竜の泉」で隣り合った老婆から聞いたおでん屋に行ったり、嘉穂の家で女子会をやったりと、楽しそうな雰囲気がしっかり伝わってきました。「竜の泉」が満員で、3人が蕎麦屋で飲む回が好きです。2020/05/15