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内容説明
わたしたちがお別れするときも必ず餃子をつくるからね。
目次
1 河北省編(老師的恋;北京の女人;ゆりかごの村 ほか)
2 黄土高原編(雨乞いの夏;村の女たち、男たち;黄河治水局のおじさん ほか)
3 番外編(頑固じいさんと影絵芝居;かくも長き一八年;パリの台湾人 ほか)
著者等紹介
井口淳子[イグチジュンコ]
専門は音楽学、民族音楽学。大阪音楽大学音楽学部教授。大阪大学大学院文学研究科博士課程単位取得、文学博士。主な研究テーマは中国の音楽・芸能、近代アジアの洋楽受容(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
サケ太
19
非常に味わい深いエッセイ。「民族音楽学」の著者がフィールド調査で出会った人物や出来事が描かれるが、農村部という全く知らない世界の一端が触れられて良かった。そこに生きる「人」がいる。その交流、生き方は読んでて楽しく、温かみのあるイラストも素敵。書店で見かけたら装丁だけでも確認してみてほしい本。2021/12/31
まいぽん
17
とても良い本だった。民族音楽研究者の著者が、中国での30年に及ぶフィールドワークの中で出会った人々との、忘れられない記憶を綴った1冊。中国の人々が持つ人としての強さ、素朴なやさしさの思い出が作者の胸の中にいくつも刻まれていて、それは苦境にあるときに身体のあたたかさを取り戻させてくれるほどのお守りのような記憶。それを分けてもらったような気がした。かつて映画で見た、自分の中の良き中国の人々のイメージが浮かんだ。2025/03/27
チェアー
10
「やさしさ」の概念が日本と中国では違う。中国でのやさしさは具体的で、言葉だけではない実体に近づくようなやさしさなのだと思う。あなたのためになることをしたい、というやさしさだ。だから、離れる時にはふんわりした感情以上の強い気持ちを持つのだろう。 「人(レン)」から始まっているのだ。 人が人を思い、思いが深まってゆく様子が中国の農村風景と、その地で生きてきた人々の姿を通して描かれている。読んでいて、心が膨らんでいくようだ。イラスト(佐々木優)も文章に合う。とてもよい本。2022/08/07
つまみ食い
7
一見では矛盾しているようなまえがきから始まる。中国で困っている時、自分が異邦人であっても人は皆同じ「人(レン)」という考えから手を差し伸べてもらえるだろうとある一方、この本のテーマは「中国人とは〜な人々である」と一括りにする中国人論ではなく、著者が会った個々人との記憶であると。実際は矛盾などではなく、謙遜混じりにまえがきにあるように「わたしのような体力も語学力もない者がこれまで中国に通うことができた」(iv)前提として導かれた前述の「人」観があり、著者はそれ以上の「中国人」という抽象化を控えているのだ。2025/04/09
もち
5
めちゃくちゃおもしろかった! 郷土文学に触れたことがあるので、よりおもしろかったんだと思う。もっといろいろ周辺に当たりたい。2022/05/18