内容説明
プーチン政権批判の最先鋒「ノーヴァヤ・ガゼータ」紙に17年間つとめたジャーナリストによる、渾身のルポルタージュ。戦争にひた走るロシアにおいて、モスクワから遠く離れた地方の自動車道で〈身を売る〉女性たち、廃墟で暮らす子どもたち、国営の障害者施設、忘れられた公害、隠蔽された学校占拠事件、迫害される少数民族、性的少数者…政権下において周縁に追われ隠されてきた人びとの声を伝える記事と、真実を語る記者としてLGBT活動家として戦ってきた自らの半生を交互に綴る。私たちが知るべきロシアの真の姿。沈黙を拒むルポルタージュ。
目次
第1章 テレビの中の男たち
第2章 子ども時代が終わった
第3章 モスクワはロシアではない
第4章 正しさvs誠実さ
第5章 無力
第6章 女性であること
第7章 わが愛(目に見えぬ愛と真実の愛)
第8章 非ロシア人
第9章 私の最初の戦争(母とクリミア)
第10章 記憶(消滅)
第11章 闇の心はどこに
第12章 ファシズムは過去の遺物(目を開けて)
第13章 戦争(私はどんなふうに育ったか)
第14章 『ノーヴァヤ・ガゼータ』と私(私たちはセクトだった)
著者等紹介
コスチュチェンコ,エレーナ[コスチュチェンコ,エレーナ] [Костюченко,Елена]
ロシアのジャーナリスト、LGBT活動家。1987年ロシアのヤロスラヴリ生まれ。いま世界でもっともよく知られるロシア人ジャーナリストのひとり。16歳から地方紙『北の地方』でジャーナリストとしての活動を始め、ロシアの主要独立系新聞『ノーヴァヤ・ガゼータ』で17年間にわたり報道に携わる。本書の英語版は2024年にプーシキンハウス図書賞を受賞したほか、収録記事が欧州報道賞など多数受賞している。LGBT活動家でもあり、ゲイ・プライドや抗議運動を続け、警察に数度拘束された。2022年2月24日、ロシアの侵攻当日にウクライナに入ったが、『ノーヴァヤ・ガゼータ』はコスチュチェンコの報道をうけて休刊となった。現在はヨーロッパに亡命中で、今帰国すれば、起訴され最長15年の懲役刑を受ける可能性が高い
高柳聡子[タカヤナギサトコ]
1967年福岡県生まれ。ロシア文学者、翻訳者。早稲田大学大学院文学研究科博士課程修了。おもにロシア語圏の女性文学とフェミニズム史を研究中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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