内容説明
中学三年生の夏休みは、なんとおばあちゃんとイタリアへ!言葉屋の秘密が封じられた伝説の言箱を保有する「鉱石王」の館を訪れた詠子は、同い年の女の子ミアと出会い、二人で鉱石王から出題された謎解きに挑みます。外国で、言葉を封じられることの厳しさと可能性を体感しながら、もの言わぬ鉱石たちの魅力にふれた詠子が、最後に見つけた大切な言葉とは…。
著者等紹介
久米絵美里[クメエミリ]
1987年、東京都生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒。「言葉屋」で第5回朝日学生新聞社児童文学賞を受賞、『言葉屋 言箱と言珠のひみつ』でデビュー
もとやままさこ[モトヤママサコ]
1982年、神奈川県生まれ。武蔵野女子大学文学部日本語日本文学科卒。イラスト・書籍の挿絵などで活動(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Nyah
37
イタリア🇮🇹で謎解き!鉱石と宝石とガラスと鏡。愛と浪漫。/詠子の中学三年生の夏休みは、おばあちゃんとイタリアへ。言葉屋始祖の由緒正しき家柄だが、数十年言葉屋どころか世捨人として暮らしてきた「鉱石王」が持つ言葉屋史上重要な言箱を言葉屋に公開するに際し親交のあったおばあちゃんに相談の為招待された。詠子は「鉱石王」の孫娘ミアと探検ハンドブックに 従い、誕生石、鉱石の炎色反応、ラピスラズリの絵の具、鏡の歪み絵、隠された言葉❤️。伊織くんの返信。そしておじさんからの病気。ランドスケープアゲートにムーンストーン。
minaseh
13
いきなり舞台がイタリアに!謎解きと鉱石、宝石の蘊蓄が面白い。詠子のあれは失恋とは言わないと思う。今一緒に居られなくても、先々ずっと一緒にいる為に離れないといけない事もあるからね。ただ、おじさんの事は…。急な展開に呆然とした。今日明日にどうのって言うのでなければ、まだ望みはあるのかな。伊織くんが脳科学者になる事と繋がっていくのかな。そうなったらまだ希望はあるかなと。詠子は自分の中に溜め込みがちだから、気持ちとうまく折り合いをいってくれれば良いけど。息子から話を聞かされるだろう祖父母もまた心配だ。2021/07/10
izw
11
言葉屋シリーズ第9巻。鉱石王と呼ばれる元言葉屋のおじいさんに招待され、詠子はおばあちゃんとイタリアに行く。鉱石王の出題した鉱石に関する謎解きをしながら、言葉・友達・家族などいろいろなことに思いを馳せる。いつもながら言葉に対する繊細な心の動きには感心し、感動する。それとは別にちょっと刺さった言葉「海外に出たり、国際的になろうとすると、つい相手の文化のことばかり調べてしまう。しかし、実際にはそれと同じくらい、自分の文化について深く知っておくことも大切かもしれない。」しかし最終章は不可解。これからどうなるんだ。2021/08/09
joyjoy
11
知ることは、力。自分の軸を持つ。コミュニケーションは言葉だけじゃない。伝える努力。気軽になることも、言葉の勇気の材料に。数を数えるということ、未来へ思考をつなげること。…などなど、今回も印象深い言葉がたくさんあり、付箋を貼りまくった。最後の「さようならのはじまり」は衝撃だったが、わたしたちはいつを、さようならのはじまりとするのだろう。別れを意識したときから? それとも生まれた瞬間から? あるいは出会ったときから?「一期一会」。さようならのあとに、自分は何を残せる? 何か、光るものでありますように。2021/06/20
なおなお
10
今回はなんとイタリアが舞台!イタリアにいる「鉱石王」の謎解きに挑戦する詠子。謎を解くうちに、心は日本にいる大切な人へ…そんな大切な人が最終章で深刻な状況に…伊織くんのことも気になるが、どうなるのか!!2022/03/10