感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
さとうしん
15
中国の中国史学者による日中歴史比較論だが、封建と郡県の制度の違いや君主に対する宗教の立ち位置の違いは思いのほか日中両国の歩みに大きな影響を及ぼしているのだなと感じた。西欧との比較では梅棹忠夫の議論、更にそれを承けた岡本隆司の日中比較論に対する論評も伺いたかったところであるが。また、鎌倉・室町幕府の滅亡は武家による日本版易姓革命として評価できないかとか、道教・仏教と「儒教」の政治的立ち位置の違いから、「儒教」を宗教と見なすべきか?等々、読者の側にもポジティブな方向での批判を促す比較論になっている。2025/08/29